思いきり肉を食べてワインを飲め 糖尿病の権威が「10歳若返る」おいしい食事を解説

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牛肉も豚肉も鶏肉も好きなだけ

 ここで心配になる読者もいるだろう。オリーブオイルにせよバターにせよ、脂質の摂りすぎは肥満、ひいては生活習慣病に直結するのではないか、と。牧田院長はなんと言うか。

「脂肪は細胞膜、ホルモン、胆汁を生成する大事な成分で、いくら食べても余ったものは体外に排出されるため、摂りすぎても心配要りません。事実、成人の平均で糖質は1日当たり350グラムも摂っているのに、脂肪は70グラム程度にすぎません」

 そして、こう続ける。

「焼肉で脂身を避けるとか、切り落として調理する必要はないと言えます」

 また、牛肉や豚肉にも飽和脂肪酸が多く含まれるが、先に触れられた「ランセット」の論文の通りなら、これも問題ないということになる。宗田マタニティクリニックの宗田哲男院長は、

「人間は一定量の脂肪を摂ると、食べたくなくなります。霜降りの肉など一定量しか食べられないので、問題ありません」

 と言うのに続けて、

「『ランセット』に載ったのはインパクトの強い論文です。それを受けた牧田医師の、脂肪は心筋梗塞など心血管病での死亡リスクと関連がなく、脳卒中にかぎれば、飽和脂肪酸の摂取量が増えるほどリスクが低下した、という主張は、まったくその通りだと思います」

 と話す。牧田院長もこう明言する。

「肉は食べ方次第では、どれだけ食べても太りません。糖質を含む衣がついたトンカツや唐揚げなどは避けたほうがベターで、しゃぶしゃぶや生姜焼きなど、茹でたり焼いたりするシンプルな調理法が望ましい。でも、調理法を工夫すれば、牛でも豚でも鶏でも、好きなだけ食べて問題ありません」

 問題ないだけでなく、

「牛肉には人間の体内で作れない必須アミノ酸が8種含まれ、筋肉や血液を作って、体内組織が正常に再生するサポートをしてくれます。豚肉は老化防止に高い効果があるビタミンB1が、すべての食品中で抜群の量を誇ります。鶏肉はビタミンB6がAGEの生成を防ぎ、カルノシンという成分に抗糖化作用があることも、最近わかりました」

 まさに若返りのための食材だというのだ。もちろん魚も推奨する。

「糖質がほぼゼロなので太る心配はなく、赤身も白身も健康にいい。特にサンマ、アジ、イワシ、サバなどの青魚は、脳や血管の老化を防いで血液をサラサラにする、DHAやEPAなどオメガ3脂肪酸を豊富に含むのでお勧めです。マグロやカツオも、動脈硬化を防ぐタウリン、貧血を予防する鉄分やビタミンB2が豊富なうえ、ビタミンB6も多いので、糖化を防ぐ働きがあります」

 ただし食べる順番が重要。最初に、食物繊維のほかビタミンやミネラルも豊富な、新鮮な葉野菜を食べて胃を満たし、次に肉や魚、最後に糖質という順だと、血糖値が上がりにくいという。

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