「記憶」は未来をつくる「原動力」:建築家・田根剛インタビュー(下)
田根剛氏は、「エストニア国立博物館」の完成をもって、考古学的リサーチが規模を問わず建築の提案につながることを確信した。今はどのプロジェクトも、これ抜きには進められないという。
「ものの意味を深めないと、デザインが個人の想いに寄ってしまう。建築は抽象概念であり、時代を超えた産物でもあると思うので、人類の膨大な歴史を俯瞰して、その中で自分は今、何ができるかとチャレンジすることに意義を見いだしています」
建築の力を引き出す人の想い
リサーチから設計案の完成まではどのような流れなのか。...