人呼んで“柏の出川哲朗” 言い間違え「桜田五輪相」

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 父は病弱な娘を思い、小豆を盗んで赤飯を作る。が、娘が赤飯の美味しさを歌にしたことで罪がばれ、父は人柱にされてしまう。〈雉も鳴かずば撃たれまい〉の由来となった昔話だ。吉事があった時こそ、口を慎むべし、というのは先人の教え。この教訓を守らず、入閣した矢先、相次ぐ失言で非難の弾を撃ちこまれているのは、桜田義孝五輪相だ。

 参院予算委員会で、蓮舫議員からの質問を受けた桜田センセイ。関連予算の見込み額を聞かれ、1500億円と答えるはずが、「1500円」、さらには、「レンポウ」議員と言い間違え。他の委員会でも、パラリンピックを「パラピック」、プロセスを「プロレス」と発言ミスを連発した。

 資質を問われかねない“舌禍事件”だが、地元・千葉県柏市の関係者からは意外にも非難の声が少ない。

「あの人、結婚式の主賓挨拶で新郎の名前を間違えて、お父様の名前で祝福したこともありますしね。選挙の応援演説をお願いしても、候補者の名前を間違えることは日常茶飯事。でも、そのミスが地元の仲間内では許されるキャラなんですよ。言い間違いを笑いに変えるから、“柏の出川哲朗”って言われているほど。地元の人は、今回の騒動でもゲラゲラ笑っています」

 なんとものんびりした雰囲気だが、批判の声も聞こえてくる。ある県議は、

「何をやりたいか、ではなくて、何になりたいかの人です。大臣に選ばれた理由を問われて、『なぜだか分からない』と答えるんですよ? 千葉県はオリンピックの開催地でもあり、費用負担の問題に直面している。地元の課題にすら触れない桜田さんには呆れ返って笑いも出ません」

 爆笑を誘ったかと思えば、スベることもあるとは、確かに出川哲朗と言われる所以が見えてくる。

 とはいえ、時の大臣なのだから笑ってはいられない。

「在庫一掃内閣という印象を強める結果になり、内閣支持率にも影響は必至です。今後、法案答弁の担当だけ代わる可能性も囁かれている」(官邸担当記者)

 入閣祝いで赤飯を食べても、これ以上は浮かれて騒がないように。人柱になりますぞ。

週刊新潮 2018年11月22号掲載

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