ドラクエ「堀井雄二」の新たな伴侶が語る“略奪だと言われてしまうのは仕方ない…”
「IX」に“special thanks”で記載
歳の差は13。
「私からすると紳士的な方という印象ですが、すごいお金持ちといったイメージはあまりありません。デートとかでも喫茶店に入らずに、道端の自販機で缶コーヒーを買ってそれで済ませてしまうような人なので……。そういうところは頓着しないんです。でもその頃の堀井はひどく忙しくて、会社に寝泊まりするようなことも多かったので、そういうところから彼が独身であると思ってしまっていました。その当時は今思えば本当に『おぼこ娘』というか……夢を見ていたというか……。その頃はやはり“好き”というか、より情熱的な関係であったように思います。でも、その後なにも進展がなかったりしたことから、“一回関係を解消しましょう”となりました。結婚や子供のことを知った時には衝撃はありましたけど、悲しいとはいえ怒りなどはなく、受け止めてしまいました。悪気があったというよりは、“言ったら嫌われてしまうと思って……”というような理由でしたし。とはいえ、しばらくは開いた口がふさがらなかったです」
先に触れた通り、堀井の会社の役員欄には前妻の名も残っている。
「奥様(前妻)とはお話ししたこともあります。“いろいろと申し訳ないです”とか……。別れる時も“すみませんでした”とはお伝えしました。一度関係を解消してからも堀井とは仕事面での付き合いが続きました。それまで私はゲーム雑誌の出版社などいろいろとゲームにまつわるお仕事をしていたんですが、30歳前後でフリーになって、徐々に堀井の手伝いが多くなっていきました」
具体的には、シナリオチェックやゲームのテストプレイといったものだ。
「もちろん何百人体制で作られてるんだろうけれども、やっぱり違った視点が求められているんでしょう。クオリティをあげるうえで、細かいところを補填するようなお仕事が必要ということなんですね。最初は雑用的な仕事だったりで無償であることも多かったですけれども、“これはお金をもらっていいレベルだよ”と周りに言われて、途中からお仕事を委託される形になりました。“これは徹夜で仕事をしたな”っていう時は、ゲームのエンドロールに名前を載せてくれと頼むこともあったし、それでも締め切り間際だったために(間に合わずに)載らなかったこともありました。名前が入ったところで、ぱーっとローマ字で流れていくだけなので、まあ個人的なあれ(満足感)かなとも思うんですけども」
事実、「ドラクエIX」には“special thanks”として、個人としては僅か2人の中に、その名を見つけることができる。
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