このままでは再犯します――「お姫様抱っこ監禁事件」男の訴え 未解明に終わった性犯罪の“原因”
自身への内省なし
転校した中学は施設内にある分校で、男子のみだったので、「髪の毛」問題が顕在化することはなかった。
が、その後、一般の高校に入学したことで、“電車行動”は再開した。17歳の時、カップルの女性の髪を切り、彼氏から駅に突き出された。施設職員が引き取りに来たが、ここでも問題が重要視されはしなかった。
「施設を出て、肉の解体工場に勤めるようになった。19歳から逮捕される少し前までいつも彼女はいたけど、自分のやっていることはダメだと思っても、やめられなかった。事件そのものが快楽となっていた」
彼女はいるけれど、不特定多数の女性の髪を触りたい。週末になれば始発電車に乗り、酔って寝ている女性を探しては隣に座り、髪の毛や胸を触った。
「13歳で出されたという川上家への違和感と社会での生きづらさもあり、残ったのが髪の毛だった。髪の毛とは、人生そのもの」
なぜ、彼女の髪では満足できないのか、不特定多数でなければならないのか。ブレーキをかけようとしなかった自身への内省はない。
[2/4ページ]