「誕生90年」でミッキーの家「11時間待ち」も納得!? 「ディズニーランドは完成しません」というウォルトの言葉の真意とは

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「ディズニーランドは決して完成しません。世界に想像力がある限り、それは成長しつづけるのです」

 これは1955年、ディズニーランドがアナハイムに開園したときにウォルト・ディズニーがテレビのレポーターに向かって言ったことだ。

 ミッキーマウスが私たちの前に初めて登場したのはそれよりさらに昔、1928年11月18日公開の短編映画「蒸気船ウィリー」だ。以降、11月18日はミッキーの誕生日とされ、ファンにとって大切な日となっている。さらに今年は誕生90年の節目の年でもあった。

 ということもあって、今月18日の東京ディズニーランドには、いつも以上に大勢のファンが詰めかけた。中でも、ミッキーと記念撮影が出来る人気アトラクション「ミッキーの家とミート・ミッキー」は、最大で11時間待ちの大行列となったという。

 長年のミッキーファンである東京在住のNさんも、当日は始発で舞浜に向かいミッキーとミニーのグリーティングに並んだというが「こんなに混んでいるのは初めてです」と驚きながらも、ミッキーの不動の人気ぶりに喜びを感じているという。

 Nさんは週に1回はディズニーランドに足を運び、ミッキーとグリーティングしているというが、「どんなに辛いことがあってもミッキーに会うと幸せになれる。そして会う度にいつも新しい発見がある」と語る。

 まさに冒頭のウォルト・ディズニーの言葉通り、ディズニーランドは日々成長し続けていて、そこが人々を惹きつけてやまないポイントなのだろう。

 実は冒頭の言葉には、別のヴァージョンがある。ディズニーランドの成り立ちに迫った有馬哲夫氏の著書『ディズニーランドの秘密』から引用してみよう。

「ウォルトは、伝記作家ピート・マーティンには次のように語ったということです。

 ディズニーランドは終わりのないものです。発展させ続け、付け加え続けられるものです。それは生きていて、息をするように必要な変化を取り込み続けるのです。映画だったら完成してテクニカラー社(フィルム現像会社)に渡せばそれで終わりです。数週間前に完成させた映画は、いまはもう手元にありません。私はそれに触ることすらできないのです。生きていて、成長を続けて、考えたことを次々と付け加えていけるものが私は欲しかったのです。それがあのパークなのです」(同書より)

 そのウォルトの言葉を受け、有馬さんはディズニーランドについて以下のように語っている。

「21世紀の今日、彼のディズニーランドになにかを付け加え、変化させ、発展させているのは、文化を越え、世代を越えてそれを受容し続けるそれぞれの国の受け手・ゲストの想像力でもあるのです。そして、もの以上に、この想像力が変化し、進化しているのです。ディズニーランドが生き物のように受け手・ゲストの想像力を吸い込む力がある限り、これが完成することは決してありません。」(同書より)

 たしかに東京ディズニーランドひとつ見ても、次々と新しいアトラクション、世界が生みだされており、すでに2022年までの新アトラクションも発表されている。

 長い間私たちに夢を与え続けているミッキー、そしてディズニーランドは、これからも成長し続け、私たちにさらなる「夢の国」を見せてくれるに違いない。

デイリー新潮編集部

2018年11月20日掲載

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