これが“値引き口止め”の決定的証拠!「シノケン」契約書

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高まる与信力

 シノケンHはすべてのオーナーに値引きをして、“守秘義務契約書”へ署名捺印を求めているわけではなさそうだ。シノケンHの元社員の話では、

「値引きを持ちかけるのは全体の3~4割で、頭金の少ないオーナーが対象でした。他のオーナーに知られるとまずいので、“守秘義務契約書”に署名捺印させるわけです」

“定価”で物件を購入したオーナーが聞いたら、激怒しそうな話だ。

 本誌11月1日号「“アパート”オーナーも腰を抜かす『シノケン』の不可解契約」では、オーナーに無断で銀行への融資申し込み書を書き換えている問題を指摘した。不動産業界に詳しい税理士はこの書類書き換えと、“守秘義務契約書”には因果関係があると指摘する。

「シノケンHが値引き分を上乗せして頭金の金額を書き換えたとしたら、オーナーの与信力が高まり、銀行の審査が通り易くなる一方で、詐欺罪に抵触する可能性が高い。発覚を恐れるシノケンHが、オーナーに口止めするために“守秘義務契約書”を作成したのではないでしょうか」

 シノケングループに守秘義務契約の目的を聞くと、

「顧客との取引内容についての回答は控えさせていただきます」(法務室)

 また、シノケングループのメインバンクである西日本シティ銀行広報文化部は、

「お答えすることはできません」

 投資用不動産向け融資の実態調査に乗り出すと宣言した金融庁。シノケンHと西日本シティ銀行の取引の実態が、白日の下に晒される日は遠くない。

週刊新潮 2018年11月15日号掲載

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