これが“値引き口止め”の決定的証拠!「シノケン」契約書
多くの人は、人生のなかで“守秘義務契約書”に署名捺印をする機会はないのではないか。だが、投資用不動産販売会社「シノケングループ」の子会社「シノケンハーモニー」(シノケンH)とオーナーとの間では、当たり前のようにこの契約書が交わされているのだ。
本誌(「週刊新潮」)はこれまで2度に亘り、シノケンHの営業手法の問題を報じている。取材のなかで、オーナーに接触すると、“シノケンHとの間で、守秘義務契約を交わしたので話せない”と返答するケースが少なからずあった。
「私もシノケンHと守秘義務契約を交わしました」
こう語るのは、都内に住む30代のサラリーマン・長谷川剛さん(仮名)だ。長谷川さんは、2年前にシノケンHから物件を購入して、マンション経営を始めた。
「物件購入の説明のなかで、シノケンHの営業マンから“お客様だけですよ”と、値引きを持ちかけられました。その後、彼から“これにサインして印鑑を押してください”といわれて、書類に署名捺印をしたのです。シノケンHから特別扱いされていると感じたので、抵抗感はありませんでした」(同)
長谷川さんが署名捺印した文書の標題は“合意書”。その中身はシノケンHがアパート購入にかかる経費分を負担すると記された上で、〈本件につき守秘義務を負担するものとし、第三者に漏洩しないことを確約する〉と記されている。
つまり、銀行から融資を引き出すために、オーナーの与信力を高める“詐欺”を行い、その口止めを図っていたのではないのか。
また、シノケンHから物件を買った首都圏に住む50代のサラリーマン・大谷浩二さん(仮名)も、長谷川さんと同様の文書に署名捺印している。その大谷さんによれば、
「通常、契約書は2通作成されるものでしょう。ですが、この時は1通しか作成されず、私の署名捺印が終わると、シノケンHの営業マンがそれを持ち帰ってしまいました」
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