65歳からのシニア再就職に「コールセンター」「清掃員」が悪くないワケ
人生最後の節目「65歳」再就職術の「勝ち組」「負け組」(1/3)
人生には幾つかの節目がある。サラリーマンの最後は65歳。定年後に待つ年金生活の始まりだ。しかし、70歳定年制や年金受給の開始年齢繰り下げが現実味を帯びる今、再就職を目指すシニアが増えている。過熱する雇用市場で、「勝ち組」「負け組」を分かつ“節目”とは。
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人生の節目に必要なもの。それは有益な情報である。本稿はそれをお届けするための企画だ。
定年まで働き、余生は年金暮らしで気ままに暮らす。多くの日本人が描いた夢物語が、破綻寸前なのは疑いようのない事実であろう。
少子高齢化で財源不足に喘(あえ)ぐ政府は、年金受給の開始年齢繰り下げを目論むが、働けるうちは働き、年金受給は遅ければ遅いほどいい――とはいえ、定年世代が再就職なんて出来るのか。
そんな人たちの疑問にお答えする前に、「年金受給年齢」の損得分岐点について、簡単におさらいしよう。
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そもそも、現行の年金制度は、60歳から70歳までの間で自由に受給を開始することが可能である。掲載の表を見て欲しい。20歳から60歳まで保険料を納めた場合、国民年金の満額は、65歳からの受給で年77万9300円だが、70歳から繰り下げ受給すれば、年額で42%も得をする。
逆に早めて60歳から繰り上げ受給も可能だが減額される仕組みで、70歳からの受給者と比較すると年間56万1096円もの差が開いてしまうのだ。
現実的な損得分岐点を考えると、早めに受給すれば健康寿命の72歳までの総受給額は多い、なんて声もある。
いやしかし、厚労省の統計によれば男性でも4人に1人、女性では2人に1人が90歳になる時代だ。自分が介護される側になるケースや不測の病に備えるためにも、定年後も働けるなら体を動かし、せっかくなら貰える年金を増やした方がいいのではないか。
経済ジャーナリストの荻原博子氏はこんな意見だ。
「年金受給を遅らせるということは、よほど資産をお持ちの方以外は仕事を続けることになります。最近の団塊の世代の方たちを見ていると本当に元気。75歳を過ぎるとガクッとなる方もいますが、70歳までは働けるという人も多い。みんなが若い頃のようにバリバリ働くことはできないし、健康を損なって働くこと自体が難しい方も出てきますが、今は法律のおかげで望めば65歳までは勤めた会社で働ける。身体と相談して、受給のタイミングを判断しては如何でしょう」
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