“悲願の銀”村上茉愛 2020でもメダルを獲る条件は

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 カタール・ドーハで行われた体操の世界選手権女子個人総合で、村上茉愛(まい)(22)が悲願の銀メダルに輝いた。

 跳馬、段違い平行棒、平均台、床の4種目で行う女子個人総合の、これまで日本の最高順位は、1966年の池田敬子と2009年の鶴見虹子が獲得した銅メダル。

 この“快挙”、2年後の東京五輪でも期待していいのだろうか?

「今回の大会では、リオ五輪での金メダリスト、現在もっとも実力を持つ、優勝した米国のシモーネ・バイルズ、3位の同じく米国の、前世界選手権の優勝者モーガン・ハードなど村上より実力の勝るトップ選手の間に入った中での銀メダル。充分、期待していいと思いますよ」

 とは、さる体操関係者。

「今回、村上がメダルを獲れたのは“ミスしなかったこと”につきるでしょう。優勝したバイルズなんて、跳馬で尻餅をつき、平均台で落下、床でラインオーバーするなど失敗の連続。それでもアクロバティックな技を見せ、Dスコアを稼ぐことができました。残念ながら村上はそうはいかないんです」

 体操競技は、演技の難易度から加点するDスコアと、技の出来栄えから減点していくEスコアの二つの合計によって優劣が決まる。身体能力、見た目で劣る日本の女子選手は、派手なDスコアを狙うより、Eスコアで少しでも減点されぬよう保つのがメダルへの条件、というわけだ。

「技の難易度を上げるのも必要ですが、たとえばジャンプした時の足の開き具合、ターンの正確さ、着地のつま先の割れなど、一つ一つの演技に磨きをかけることが大事だと、今度の演技が教えてくれたように思いますね。それは日本のお家芸“美しい体操”を取り戻すことでもあります」(同)

 村上、五輪でも期待に応えてくれるか。

週刊新潮 2018年11月15日号掲載

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