22万人がなだれ打つ“便乗徴用工”2兆2千億円賠償の恐怖 韓国「文在寅」大統領の戦略的反日
「戦略的反日」
元外務省北米第一課長で外交評論家の岡本行夫氏が嘆く。
「今回の判決は滅茶苦茶です。いくら国家間で正式な協定を結んでも、片方の国の司法府がそれをひっくり返してしまっては法の安定性はなくなる。こんな判決が出るのであれば、国家と国家の関係は成立しません。本来、文在寅(ムンジェイン)政権も裁判所に対して『この件は、65年の日韓請求権協定で終わっている』という政府見解を出すべきだったと思います。ところが、現政権はそれをしないどころか、『判決を尊重する』などとコメントを出しています。信じられません」
また元駐韓特命全権大使の武藤正敏氏は、半ば匙(さじ)を投げたようにこう語る。
「65年に日韓双方で出した結論が、今回の判決でその経緯も含め全てひっくり返されてしまいました。安倍総理が言った通り、『あり得ない』ことです。これでは、日本としては韓国とはもう付き合いきれなくなってしまいます」
このように厚顔無恥を地で行く文氏。これだけ酷い判決が出てしまった以上、内心、「反日を煽(あお)り過ぎたかな」と後悔していたとしても不思議ではないが、
「今回の判決は、文大統領の『戦略的反日』の帰結です。日韓関係にヒビが入ってしまうのでは、などという不安は微塵も感じていないでしょう」
と、元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏が、文氏の「確信犯」ぶりを解説する。
「これまでの歴代の韓国政権は、苦しくなったら反日カードを切ってきました。しかし、文政権の支持率は未だに59%と高い。苦肉の策としてではなく、彼が積極的に反日を煽っていることを物語っています。事実、判決確定直前の10月27日、朴槿恵政権時代の訴訟進行の実務責任者である法院行政処次長が、徴用工裁判の進行を遅らせたとして逮捕され、当時の大法院長(最高裁長官)の関与についても捜査が行われています。これは、今回の判決を出した新しい大法院長こそ正しいという世論操作と言えます。つまり、文大統領は今回の徴用工判決を積極的に『演出』したわけです」
なぜそこまでして、反日に邁進するのか。
「保守系団体によるユーチューブの配信を規制しようとし、公務員の数を増やすなど、社会主義的傾向の強い文大統領は、対北朝鮮においても融和政策を取っています。そんな彼にとって、これまでは日米韓で北と対峙してきましたが、北に融和的ではない日本が邪魔な存在になっている。それゆえに、極端な反日強硬策に出ているんです」(同)
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