22万人がなだれ打つ“便乗徴用工”2兆2千億円賠償の恐怖 韓国「文在寅」大統領の戦略的反日
10月末、珍しく日本のメディアは「一枚岩」となった。
〈「解決済み」ひっくり返す〉(朝日新聞)
〈文政権 迫られる対応〉(毎日新聞)
〈日韓協定に反する賠償命令だ〉(読売新聞)
〈国民感情優先 国際条約破る〉(産経新聞)
普段は対立する各紙が、10月31日付の紙面では「韓国批判」で歩調を合わせたのである。こうした「大同団結」をもたらしたのは、その前日の、まさに国際常識を完全に無視した「徴用工判決」だった。
日本統治時代、朝鮮半島から動員されて日本の工場などで働いていた「徴用工」。そのなかの4人が、「強制労働させられた」などとして新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めて提訴していた。その裁判の差し戻し上告審が、同月30日、韓国の大法院(最高裁)で開かれ、計4億ウォン(約4千万円)の賠償を命じる判決が確定したのだ。
だが、先の朝日新聞の見出しを持ち出すまでもなく、徴用工問題は「解決済み」の話である。簡単におさらいしておくと、1965年、日韓両国の国交正常化に伴い、日韓請求権協定が締結された。これにより、日本が韓国に有償、無償あわせて5億ドルの経済支援をすることで両国および両国民の請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」(同協定より)。平たく言えば、日本統治時代のことに関して、以後、一切金銭的な補償等の問題は生じない、言いっこなしと日韓で合意したわけだ。にも拘(かかわ)らず、韓国はちゃぶ台をひっくり返して日本にカネを求めてきたのである。
約束が約束にならない。ゲームセットしているのに、勝手にゴールが動かされてしまう。慰安婦問題でも繰り返されてきた、韓国の十八番の「ムービング・ゴールポスト」がまたしても発現したのだ。安倍晋三総理が「判決は国際法に照らしてあり得ない判断だ」と憤った上で呆れ、河野太郎外相が「国交正常化以来、両国の友好関係の基盤となってきた法的基盤を根本から覆すものだ」と憤慨するのも当然である。
[1/3ページ]