55億円「地面師事件」で高飛びの小山容疑者 フィリピンパブに注ぎ込んだ“積水マネー”
「貧相な男」
事件の舞台となったのは、東京・五反田にある廃旅館「海喜館(うみきかん)」。JR五反田駅に近く、広さが約2千平方メートルもある都心の一等地は長らく「売りに出されない土地」として知られていた。この土地に目をつけた地面師グループは所有者女性のニセモノを用意し、偽造書類も揃えて複数の不動産業者に接触したが、かかった獲物は予想を超える大物だった。地面師グループが積水ハウスに土地取引をもちかけたのは昨年3月末。約1カ月後には早くも売買契約を交わし、その後、本物の土地所有者から注意を喚起する内容証明郵便が届いていたにもかかわらず、積水は6月に代金を全額支払ってしまうのだ。
この事件を巡り、警視庁が土地所有者に成りすました羽毛田(はけた)正美(63)らを偽造有印私文書行使などの容疑で逮捕したのは去る10月16日。事件を主導し、積水との話し合いの場にも同席した小山容疑者がフィリピンに出国した3日後だった。
「もともと小山は、“積水マネー”が入る前は、ポケットに5千~6千円突っ込んで、錦糸町をブラブラ飲み歩くような貧相な男だった」(知人)
今回の事件により、小山容疑者は少なくとも10億円を手にしたとされる。犯罪で大金を手にした場合、しばらく目立たぬよう過ごすのが“賢明”な選択のはずだが、彼は違った。錦糸町や浅草に繰り出し、人目を気にするそぶりも見せずに日々、豪遊したのだ。ちなみに、
「小山が足をのばすのは浅草までで、銀座とか六本木には行かない。その理由は簡単で、日本人のホステスにはモテないから。まあ、服装が貧相で話も面白くないのでモテないのは当たり前だけどね」(同)
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