巨人・小林誠司のリードを酷評する専門家たち、一人前になれず西武・炭谷を獲得か

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小林は「一軍にいられる捕手」に入らない

 小林の名誉のために言い添えれば、今季、彼の盗塁阻止率は、3割4分1厘でリーグトップに輝いた。

 7月27日は中日戦で山口俊(31)、セCSファーストステージの対ヤクルト第2戦では菅野智之(29)にノーヒットノーランを達成させた。試合によっては解説者が小林のリードを評価することもある。

 それでは、以上を踏まえていただき、野球解説者による代表的な「小林批判」を振り返ってみよう。

 トップバッターは巨人のエースとして君臨した西本聖氏(62)だ。10月19日のセCSファイナルステージで、巨人は広島に5-1で敗れる。翌20日に日刊スポーツ(電子版)は「巨人小林配球考えてない ベンチ指示すべき/西本聖」の記事を掲載した。

《(編集部註:2回の攻撃で)フルカウントから小林がワンバウンドのスライダーを空振り三振。(中略)大きく泳いで空振りする姿を見て、情けなくなった。
 直後のイニングだった。先頭打者が二塁打。ここからけん制球で様子をみるとか、相手がどんな作戦をするか、観察している様子もなかった。(中略)小林はカーブのような遅い変化球を要求。普通に打っても引っ掛けて進塁打になる116キロの変化球は、一塁線を破ってタイムリー。打席でも何も考えていないのだから、配球も考えていないだろうと感じた予感は的中した。
 ここまでひどいと、ベンチにも責任がある。基本的な教育を怠っていたとしか思えないし、大事な場面ではベンチから指示を出さなければいけない》 

 ネットメディア「現代ビジネス」は17年3月4日、「『巨人・小林は正捕手の器ではない』江夏豊の言葉の真意」の記事を掲載している。

 元は「週刊現代」の記事だが、通算2987奪三振という大投手・江夏豊氏(70)と、小林と同じ捕手でもあり名将として知られる野村克也氏(83)の指摘が引用されている。共にご覧いただこう。

《自分は小林誠司の技量・力量を疑問視している。はっきり言って、彼は控え捕手として能力を発揮できても、レギュラーになれる器ではない》(編集部註:初出は「週刊プレイボーイ」17年1月30日号の連載「江夏豊のアウトロー野球論」)

 次は野村の指摘だ。

《私は捕手のレベルを分類するときに『一軍にいられる捕手』『正捕手』『名捕手』と段階を分けるんだけど、私の評価では小林はまだ『一軍にいられる捕手』にも入らない。捕手としての技術、投手のリードについて、基礎もできていないと思う。(中略)
 小林は昨年の夏、首位・広島との直接対決で、マウンド上のエース菅野に変化球を要求したのに、菅野が首を振り、安易に投げた直球を広島の投手・福井優也に打たれた。そこから大量失点で逆転負けを食らった。
 エースに首を振られても、慎重さが要求される場面では出したサインを簡単に変えてはいけない。『オレの言うとおりに投げてこい』ぐらいの信念が必要なんです。今の小林ではまだ、『監督の分身』にはなりきれない》

 最後は、やはり名捕手の谷繁元信氏(47)による小林評だ。「BASEBALL KING」には「ニッポン放送ショウアップナイター」の実況を元にしたニュースが掲載される。そして今年4月12日の巨人・DeNA戦で行われた谷繁の解説が記事化されているのだ(「谷繁氏、巨人・小林のリードを指摘 その内容とは?」18年4月13日)。

《谷繁氏は小林のリードについて「どのアウトカウント、どのイニングでも同じような感じがするんですよ。(リードに)強弱がないというかね…」と指摘。
「僕だったらランナーがいなければ、簡単に打ち取ろう。ピンチになった時に必要な攻めをとっておくとか。色んなことを考えながら、ランナーがいないときは攻めるんですよ」と捕手としての考え方を説明した》

 誤解を恐れずに言えば、西本、江夏、野村、谷繁という歴史に名を残す2投手・2捕手が共通して指摘しているのは「小林は何も考えていない」ということになるようだ……。

 今季は4人の捕手で競争をさせても、活性化することはなかった。もし来季にベテラン捕手が加入すれば、全体のレベルが底上げされるのか、巨人ファンでなくても、注目ポイントだろう。

週刊新潮WEB取材班

2018年11月4日掲載

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