“カネで捜査情報を漏らしてくれた”――55億円積水ハウス事件、地面師マネーに汚染された“黒い警視”の存在

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振り込め詐欺にも関与

 ところで、土井容疑者は自分の来し方をこんな風に粉飾することもあったという。

「京都出身で小学校は京大附属だと言っていたような……。でも、そんなのないよね。高校に行かなくなり東京にやってきて青山学院に通ったとか。そこからフランスに留学したとか、日商岩井の重役に気に入られて、その子会社の役員やっていたとも。あと彼は、『寿雄』という名前の名刺も持ってる。『淑雄』で調べると過去の犯歴が出てきたりするからね」(同)

 実際はどうだったのか。

 長らく別居しつつもなかなか離婚できず、16年頃に離婚が成立した前妻は、

「私の前の奥さんのことって知ってますか? あの、むしろ私が彼の過去について知りたいくらいです。あの、この事件に関わっているんですか、土井が? それなりに利益を得たってことですか?」

 と逆質問。土井容疑者の知人が後を受けるように、身過ぎ世過ぎを明かしてくれた。

「彼は、日本を代表する暴力団傘下の企業舎弟のところへ出入りしていました。その企業舎弟の右腕といった感じです。事件屋とかマスコミ関係者とかと幅広い交流をしていた。よく喋る人で、関西弁だったかな。本人曰く“組に顔は利くけど、番号は背負ってない”、つまり組員ではないと。土井は株のことも相当詳しく、色々と金を貸し、『何か』をさせている。恐らく儲かりそうなものがあれば首を突っ込んでいくスタンスで、振り込め詐欺にも関与していたはず。捜査情報には異常に詳しく、警視庁にS(内通者)がいたのは間違いない」

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