戸田恵梨香が「大恋愛」で演じる“女っぽい病人”を 辛口コラムニストが絶賛の理由
2018年の秋ドラマ、一通り出揃ったところでコラムニストの林操氏に感想を伺うと、戸田恵梨香(30)主演の「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系/金曜10時)とのお答え。あまり話題にはなっていないが、このドラマの魅力を教えてもらった。
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女優の名前は戸田恵梨香、ドラマのタイトルは「大恋愛」。ごく普通の女優がごく普通の作品に主演しています。でも、ただひとつ違ってたのは、“全話平均の視聴率が10%を超えたら、結婚を許してもらえる”という密約を女優が事務所と結んでいたのです――
なんて話の出モトは「週刊実話」。実際の視聴率(関東)は初回以降、10.4%、10.6%、10.9%と、微妙ながらも平均10パー超えを維持してるし、この女優もこのドラマも、決して普通ではなく、かなり見どころありで、数字はもっと上がる可能性があるから戸田、この奴隷契約めいた密約ネタが悪質な番宣などではなかった場合、プライベートな大恋愛も成就させらるのか? と勘ぐっているところです。
とはいえワタシ、放送が始まるまで「大恋愛」には期待してませんでした。だって、脚本が大石静だという点が唯一の光であるほかは、
●制作のドリマックス・テレビジョンはTBSの子会社なのに(子会社だから?)駄作連発
●戸田恵梨香とムロツヨシ(42)のラヴ・ストーリーにTOKIO松岡昌宏(41)が絡むという座組みに興味が持てない。
●そもそも「大恋愛」という大上段に構えすぎたタイトルが大滑りの予感満載。
……という具合だったからね。
さらに、
●戸田と松岡は医者カップルというステータス先行で婚約していたという愛抜き婚姻モノ。
●挙式1カ月前にムロツヨシと出会って恋に落ちた戸田が松岡との婚約をキャンセルするという婚姻ドタキャンモノ。
●戸田が30歳前後で結婚だ恋愛だキャリアの危機だに足を取られるというアラサーモノ。
●片方が金持ちドクターで片方が貧乏アルバイターという格差恋愛モノ。
●ドクターが女でアルバイターが男という男女逆転モノ。
●女がザ・ビューティーで男がザ・ビーストという美女と野獣モノ。
……と、恋愛ドラマという枠に限ってみても要素盛りだくさんすぎ(だからこそ「大恋愛」か?)。
そこに加えて、
●戸田(と母親)が産婦人科で松岡が精神科の医者だという医療モノ。
●戸田は母親(草刈民代[53])とベッタリで松岡も母親(夏樹陽子[66])が息子とベッタリという母子束縛モノ
●松岡はTOKIOのメンバーだというジャニーズモノ
……でもあるわけだから、もう見る前から既視感いっぱいの腹いっぱい。
実際に第1話の幕が上がっても、さらにさらに、
●戸田とムロツヨシが初回から寝るというアンチ草食モノ
●ムロツヨシのアルバイト先がアート引越センターで、つまりは「あなたの人生お運びします! 」(TBS系/2003年)以来のアートモノ──「お運びします!」はアート引越センターの創業者夫婦を描いた失敗作。脚本は「大恋愛」と同じ大石静──。
……なんてあたりにまで気づいちゃったんだけれど、その初回を見終えてみたら、目から出たのは涙。それは、読みが外れたよぉという悔し涙である以上に、久々にちょとエエもん見ちゃったなぁという嬉し涙でした。
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