元妻も娘も後妻も逝って「穂積隆信」が「積木くずし」の後始末

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家族が1人ずつくずれ

「妻の三千代さんが億単位の全財産を持って、由香里さんと出奔。伊豆に持っていた土地も売り払われてしまい、穂積さんに残ったのは未納の公共料金や、土地売却に伴う数千万円の所得税。夫婦はもめにもめた末、87年に離婚に。また、由香里さんも覚醒剤で逮捕され、復帰しても再び覚醒剤で逮捕されます」(同)

 破産状態に追い込まれた穂積だが、旧知の美容院経営の女性と再婚。そこに2000年末、由香里さんが転がり込んで、2年数カ月、娘と辛うじて“幸せ”な暮らしを送ったが、

「元妻の三千代さんは金を使い果たし、生活保護を受ける困窮の下、頸動脈を切って自殺。腎臓病を患っていた由香里さんも03年、35歳の若さで穂積宅で冷たくなっていた」(同)

 著書に描いた何倍も激しく積木をくずしてきた穂積のその後を、所属事務所の長谷川たか子社長が語る。

「私たちがやっていたのは主に映画の吹き替えの仕事。最後にやったのは3、4年前で、当たり役だったクリストファー・ロイドの声の吹き替えでした。舞台の仕事は個人で細々とやっておられ、今年2月、三越劇場で石井ふく子さん監修の舞台に出られたのが最後だと思います。再婚した奥さんも脳梗塞で倒れ、穂積さんが介護されていましたが、一昨年亡くなった」

 さる知人は、

「去年秋、穂積さんに“見に来て”と言われて、名古屋の中日劇場の舞台を観に行きましたが、元気な姿でしたので、びっくりです」

 と話すが、黄疸が出たのを機に胆嚢がんが見つかったのは、今年8月だったという。ここ3年ほど“付き人”だった女性に世話されていたそうだが、亡くなったのは10月19日未明。付き人も最期には間に合わなかった。積木がくずれ去った後の、たった一人の死。せめてもの罪滅ぼしか、遺体は故人の遺志で慶応病院に献体された。享年87。

週刊新潮 2018年11月1日号掲載

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