元妻も娘も後妻も逝って「穂積隆信」が「積木くずし」の後始末

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『積木くずし』を世に問うたとき、穂積隆信は、くずれた積木の補修を終えたつもりだったのだろう。ところが、積木はその後も激しくくずれ続け、自身がくずれるとき、もはや積木は一つも残っていなかった。

 荒れる中学生が社会を騒がせていた1982年、一人娘で中学1年だった由香里さんの非行を赤裸々に綴った『積木くずし』は、約300万部のベストセラーとなり、著者の穂積氏には3億円もの印税が入った。

 家族再建の一里、いや十里塚くらいになると思ったのだろうか。だが、この本は、その後も「積木」が際限なくくずれ続けるという予言書にほかならなかった。

「当初、印税が毎月1千万円も入り、教育評論家として講演すれば1回20万~30万円。由香里さんにも月30万~40万円もの小遣いを与えていたのです」

 と当時を知る古参の芸能記者が回想するが、由香里さんは83年、トルエン所持で逮捕される。しかも買う金は親からの小遣い。後に彼女が「娘の恥のお蔭でいい思いをして、絶対に復讐してやろうと思った」と語ったことからも、穂積が“教育”について語るのは、笑えない喜劇だった。

 その後の展開は、ひたすら悲劇である。

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