創価学会員は大喜び!? 「橋本忍」追悼で映画「人間革命」がテレビ初放送

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 今年(2018年)7月19日に100歳で世を去った日本を代表する脚本家・橋本忍。

 処女作「羅生門」が黒澤明監督(1910~1998)によって1950年に映画化され、ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞。以来、「ゼロの焦点」(61年:野村芳太郎監督[1919〜2005])、「日本のいちばん長い日」(67年:岡本喜八監督[1924〜2005])、「日本沈没」(73年:森谷司郎監督[1931〜1984])、「砂の器」(74年:野村芳太郎監督)、「八甲田山」(77年:森谷司郎監督)、「八つ墓村」(77年:野村芳太郎監督)……と名作、ヒット作、枚挙にいとまがないとはこのこと。

 だが、その追悼として、CS放送の日本映画チャンネルはなぜか「人間革命」(73年:舛田利雄監督[91])を選んだのだ――。

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〈追悼・橋本忍 〈TV初〉「人間革命」 (原作)池田大作 本日よる9時~〉

 朝日新聞のラテ欄に、妙に違和感のあるカラー広告が掲載されたのは10月27日朝刊だった。CS放送ながら、映画「人間革命」が初めてテレビで放送されるというのである。それも、名作揃いの橋本忍の追悼番組として――。

 当時、3億5000万円という破格の予算が組まれ、メガホンを取ったのは石原裕次郎(1934~1987)主演作品を多く監督し“日活の天皇”と呼ばれた舛田利雄。音楽は「ゴジラ」の伊福部昭(1914〜2006)。その「ゴジラ」などで特殊技術監督を務めた中野昭慶(83)は、この作品でも特技監督を務めている。現代劇のハズだが、時代劇あり、SF(?)まである奇妙な映画。さらに、丹波哲郎(1922〜2006)、芦田伸介(1917〜1999)、新珠三千代(1930〜2001)、名古屋章(1930〜2003)、黒沢年男(74)、渡哲也(76)、仲代達矢(85)……オールスターキャストで撮影された大作であり、邦画配給収入は11億9000万円で年間第2位(73年)を記録した。ちなみに1位は同じ橋本脚本の「日本沈没」(配収16億4000万円)だ。

 にもかかわらず、これまでテレビで一度も放送されなかったのはなぜか。

「創価学会の映画だから、としか考えられないですね。当時は言論出版妨害事件で池田大作会長(90)が謝罪(70年)してから、それほど時間もたっていません。それに、学会が日蓮正宗から破門された今となっては、映画の中で、本山の大石寺に参る創価学会会長の姿があるのは執行部にとっては不都合でしょうし。もっとも、聖教新聞に連載されていた『新・人間革命』が今年9月に完結したばかりですから、“人間革命ロス”になっている末端の学会員はありがたがるかもしれないけど」(学会ウォッチャー)

 原作者はいわずと知れた創価学会の池田大作名誉会長で、映画は彼の師匠であり2代会長である戸田城聖を主人公に、戦時中から戦後にかけて学会が成長する様を描く。創価学会の関連企業であるシナノ企画と東宝の共同製作だった。

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