警視庁大失態! 被害額55億円「積水ハウス」地面師事件、主犯格の男が高飛びの瞬間
白いキャップをかぶった黒い上下姿の男の右手には、トートバッグとボストンバッグ。スポーツジムへでも行くかのような身軽な装いだが、ここは羽田空港だ。さる10月13日未明、男は窓口でファーストクラスのチケットを「現金で」買い、午前1時15分発のフィリピン・マニラ行きの便に飛び乗ると、そのまま日本を後にした。当局に察知されることを巧妙に避けた、じつに鮮やかな“逃亡”の手口だった。
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彼の名前は小山操容疑者(58)。昨年、住宅大手の積水ハウスが東京・品川区にある老舗旅館「海喜館(うみきかん)」の土地取引に絡み、詐欺に遭ったとされた一件をご記憶のムキも多かろう。「海喜館」の所有者になりすました女が、積水に土地を売ろうと持ちかけた。これに飛びついた積水が金を支払ったところでインチキだったと判明し、当時の会長が解任される騒ぎにもなった事件。その主犯格と目されているのが、こちらの小山容疑者なのである。
今年2月、彼が好んで通った浅草のフィリピンパブで豪遊しているところを、本誌(「週刊新潮」)は直撃。取材に「なんでこんなところに来るんだ!」と激昂しながら、「海喜館の女性オーナーは知っているよ」と認め、ウソだとは思いもしなかったとシラを切り通した。事件で数億円は手にしたとされるその“お大尽遊び”ぶりは、本誌3月8日号でも報じたが、
「何人もの女の子を指名し、連夜、オープンからラストまで店にいました。大人数での同伴では、銀座でヴィトンやアルマーニのバッグをプレゼント。席ではジャンケンで負けた子に1万円台のシャンパンをジャンジャン飲ませ、一晩平均50万円くらい使っていました。支払いはもちろん現金です」(関係者)
事件から1年余、こんな遊びを続け、2億円近く使ったとみられるが、9月に店の女性多数が偽装結婚の容疑で逮捕されて閉店。10月半ば、捜査が身辺に迫っていると勘付き、家族もいない身軽さを利して、間一髪、フィリピンへ高飛びした。それから3日後の16日、事件の関係者が一斉逮捕されたのだった。
「小山の前妻やパブを辞めた子たちがフィリピンにいる。当面、彼女らのもとを転々として身を隠すつもりでは」(同)
大捕り物で主犯を取り逃がした警視庁の面目は潰れた。