日本オープンを制した“曲げない男” 稲森佑貴のFWキープ率

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「どいてくんねえか」

「まっすぐ行くって決めたんで」

 そんなCMがあるが、この男こそが“まっすぐ行く”男と言えよう。

 ゴルファー日本一を決める「日本オープン」(優勝賞金4千万円)が横浜CCで行われ、稲森佑貴(24)がツアー初優勝を果たした。

 鹿児島生まれ。2011年、鹿児島城西高校2年生の時、プロテストを受けて一発合格。当時の最年少記録を更新し、一躍その名を轟かせた。同年の新人戦を最年少で制し、早々にプロ初タイトルを獲得すると、14年から4年連続でシードをキープ。15年には10位以内が5度、17年には7度もある。今年5月のメジャー初戦「日本プロ」は首位に1打差の3位タイだった。

 驚くべきは“フェアウェイキープ率”である。15年から3年連続で同部門1位に輝き、今季も1位をひた走っている。

「実家はゴルフ練習場です」

 とツアー記者が語る。

「コーチであるお父さんは飛距離より精度重視で、“マン振りするな”と教えている。それが、無駄のない無理のないコンパクトなスイングに結実しました」

 優勝インタビューで“どうしたら曲がらないのか”と問われた稲森は、うーんとしばし呻吟して、

「曲げないように打つことです」

 その後の記者会見でも、

「なるべくフェアウェイキープは当たり前にしておかないと。フェアウェイキープ率は、どうでもいいとは言わないですけど、あまり気にしていないです」

 とサバサバ。

 もしや“あまり気にしない”というのが秘訣なのか。とにもかくにも、うらやましいゴルファーである。

週刊新潮 2018年10月25日号掲載

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