カルシウムだけでは不十分! 「骨粗鬆症」を防ぐ最強“乳和食”レシピ
骨にいい栄養素
食から改善と考えれば、カルシウムの摂取を心がけようとする人も多かろう。
けれど、それだけでは不十分だと石橋氏が続ける。
「骨は決してカルシウムの塊というわけではありません。実はたんぱく質の一種であるコラーゲンに、カルシウムとリンの化合物であるリン酸カルシウムが沈着して出来たものが骨なのです。カルシウムとたんぱく質の構成比は1対1で、硬くしなやかな骨が作られます。したがって、カルシウムをとっていれば骨の健康は大丈夫というのは間違いで、同時にたんぱく質の摂取も重要なのです」
この二つをきちんと体に吸収させるためには、どうしたらいいのだろう。
「1日3食のうち2回は、動物性たんぱく質が十分とれるメニューにしましょう。肉も魚も100グラム中、約20グラムのたんぱく質を含んでいますが、とりわけ魚は、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、かつ尿中へのカルシウムの排泄を減らす効果があるビタミンDも豊富に含みます。骨芽(こつが)細胞の働きにも不可欠ですので、骨のためには欠かせない栄養素なのです」(同)
もうひとつ、骨に必須の栄養素が、あまり聞き慣れないビタミンKで、
「この栄養素には、骨が生成される過程において、先ほど申し上げたリン酸カルシウムの沈着を促進させる効果があります。納豆やブロッコリーに多く含まれているので、例えばブロッコリー(ビタミンK)、乾燥シイタケ(ビタミンD)、ちりめんじゃこ(カルシウム)を使い、さらに卵(たんぱく質)でとじた雑炊に、副菜として納豆(ビタミンK)をつけるといいですね」(同)
現代人には、これらの栄養素が不足していると警鐘を鳴らすのが、料理家で管理栄養士の小山浩子氏だ。
「カルシウムをみても、50歳以上の推奨摂取量が650ミリグラムなのに対して、平均摂取量は516ミリグラムと、134ミリグラムも足りていないのです。ちなみに、牛乳はコップ1杯(200ミリリットル)で、227ミリグラムのカルシウムを含んでいますから、毎日飲めば必要量を補うことができるといっても、飲むのは苦手という方も多いのではないでしょうか。また高齢の方だと腸が弱っていて、牛乳を直接口にするとお腹を壊してしまう方もいます」
とはいえ、「栄養のデパート」と呼ばれる牛乳は、カルシウムのみならず、たんぱく質や骨を作る上で必要な成分であるビタミンD、Kを始め12種類のビタミンと、8種類のミネラルを含んでいる。おまけに、牛乳のカルシウムの吸収率は約40%で、小魚類33%、野菜類19%と他の食材と比較しても、効率的に体内へと摂取できる食材なのだ。
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