安倍総理「消費税10%」表明の思惑 「医療費」という難題
誰がために税はある。それが分からぬから、批判が起こるのではなかろうか。
安倍首相は今月15日、来年10月から消費税を10%に予定通り引き上げる方針を表明した。税率を5%から8%に引き上げた時よりも、約半年も早い表明は、永田町内でも様々な憶測を呼んでいる。
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「来年の統一地方選と参院選を戦い抜くことを最優先に考えたのでしょう。この時期に増税を表明すれば、実施日までの1年間は駆け込み需要が期待でき、経済が冷え込む可能性が低い。逆に選挙と近い時期に表明すれば、増税のネガティブな印象に選挙結果が引きずられますからね。不安の芽は早く摘むべきだとの判断で、上手なタイミングだと思います」(政治部デスク)
表明と同日に行われた、沖縄県豊見城(とみぐすく)市長選では、玉城デニー知事が推す新人が当選し、自民党は沖縄県知事選に続き、事実上の2連敗。政権にとってネガティブなこのニュースも、増税表明の報で色が薄まったことを評価する声もある。
「杉田官房副長官は、記者に表明時期の理由を問われ、『政治的なタイミングでしょう』と、断言していました。思惑の多い表明だったのは間違いない」(同)
それでも、安倍首相は薄氷を踏む思いだと、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が語る。
「内閣改造をおこなうと、ご祝儀として支持率が上がるのが一般的です。が、NHKの世論調査でも支持率は横ばいでした。北朝鮮問題は蚊帳の外で、日露問題では主導権を握られている。憲法改正論議も進められないなか、増税表明の風当たりがどれ程のものか、見極めに慎重になっています」
3選を果たした安倍首相だが、一寸先は闇。少し前では考えられない状況になっているのだ。
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