潜入取材「豊洲新市場」トラブルガイド 開場早々に「ゴキブリ」の姿、暴走「ターレ」で死亡事故の懸念

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排水への不満

 ちなみに「1匹いれば100匹いる」といわれるのがゴキブリである。加えて気になるのが、いかにもゴキブリが生息していそうな臭い。同じ仲卸は、

「築地は風通しが良かったけど、豊洲は閉鎖型なので、もう階段もエレベーターも、みんな魚臭いよ」

 と言う。一方、仲卸売場棟のバースの入口は、出入りが多いために人感センサーで開いてしまうのか、どれもほとんど開放されたまま。臭いはこもるが外気は入りっ放しと、なんともチグハグなのである。

 また、仲卸売場棟でも数多く聞かされたのが、排水への不満だった。

「排水溝はかなり浅い。それに、目の細かい網が要所要所に張られてて、そこに魚のかすが溜って水があふれてくる。シンクも詰まったよ。だから、ボルトで止められていた網を全部外しちゃった」(ある仲卸)

 さるベテラン仲卸の説明によれば、

「築地ではゴミもふくめて流しっ放しで、夏場は腐敗臭が発生するから、毎週火曜に下水を清掃して、さらに月に1回、都がバキュームで吸っていた。豊洲ではそれを改め、網を設置して、魚のかすが下水に流れないようにしたんです。その網を外したら、そりゃ衛生管理はできない」

 そうは言っても、みな網を外す。卸売場棟の水たまりも原因は同じである。

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