孫正義、新井紀子の反論に沈黙… やりこめられた「AI弱者救済議論」

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愛読書は『進化論』

 ソフトバンクの元社員が驚く。

「孫さんの記者会見などを長年チェックしてきましたが、彼が口ごもるようなことは一度もなかった。よほど想定外のことを問い詰められ、二の句が継げなかったんでしょう。彼はダーウィンの『進化論』を愛読書にしている究極の市場原理主義者で、競争社会で脱落した人のことなんか端(はな)から考えていませんからね」

 剥(は)がされた「強欲資本家」の化けの皮。孫氏に代表される、大資本家が技術競争に勝ち儲けを「下々(しもじも)」に配分すればいいという考え方を、京大名誉教授の佐伯啓思氏が一蹴する。

「全くナンセンス。仕事を失い、多数の人の所得が下がるような社会が、どうして発展できるんですか。消費する力がないというのに。過去のIT革命で日本のGDPは上がりましたか? 企業による行き過ぎた開発競争は、社会の格差を招くのです」

週刊新潮 2018年10月25日号掲載

ワイド特集「誰がために金は成る」より

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