美智子さまが“ご愛読”を明かした探偵小説 出版社、訳者も驚き

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〈読み出すとつい夢中になるため、これまで出来るだけ遠ざけていた探偵小説も、もう安心して手許に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています〉

〈読み出すとつい夢中になるため、これまで出来るだけ遠ざけていた探偵小説も、もう安心して手許に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています〉

 来年、ご退位によって公務を離れる天皇皇后両陛下は、どんな日々を過ごそうとお考えになっているのだろうか。10月20日、84歳の誕生日を迎えられた美智子さまが、宮内記者会への「ご回答」という文章の中で挙げたのが、イギリスの作家P.G.ウッドハウスの「ジーヴス」シリーズである。

 イギリスの探偵小説で、まず思い浮かぶのはシャーロック・ホームズやポアロだろう。ジーヴスと聞いてピンと来たらかなりの通だ。

「ウッドハウスはエリザベス女王の母・エリザベス皇太后など王室にも親しまれている小説家です。なかでも『ジーヴス』シリーズはテレビドラマになったこともある。短編が中心で、主人公は名家に仕える執事のジーヴス。主人のバーティーやその友人がピンチに陥ると、機転を利かせて救う。ユーモアが効いており、品の良い作風が特徴です」(出版関係者)

 もちろん、日本でも訳書が出ている。出版元の一つである国書刊行会では、

「ジーヴスものは『比類なきジーヴス』から始まってこれまで14冊出ており、ドラマのDVDも当社から出ています。部数では数万部ぐらいでしょうか。根強いファンがいて、10回以上版を重ねた作品もあります」(清水範之編集長)

 同社では、さっそく増刷にかかると意気込むが、美智子さまのお言葉におどろいているのは、翻訳者の森村たまき氏も同じだ。

「あまりに嬉しくて、海外にいるジーヴスファンの友達に、新聞記事の英語版を送ってあげたほどです」

 そう話す森村氏に、ジーヴスを読み始めるのなら何から?と聞くと、

「3冊目に訳した『それゆけ、ジーヴス』が、人間関係も分かっていいと思いますよ」

 晩秋の夜長にいかがだろうか。

週刊新潮 2018年11月1日号掲載

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