原監督就任で過去10年間の巨人“ドラフト1位”指名選手を分析 浮かぶ2つの特徴

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吉田輝星ではなく根尾昂を指名とも報道

 2018年のプロ野球ドラフト会議は10月25日に開催される。注目点の1つが新生巨人の動きだろう。23日の記者会見で原辰徳監督(60)の3度目となる就任が発表され、ドラフトにも監督として出席することが明言された。

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 会見で原監督は「大きく育てて目標を持ったチームにしたい」と抱負を語ったが、CS(クライマックスシリーズ)で広島に3連敗の屈辱を味わったことは記憶に新しい。

 原巨人のリベンジはドラフトから始まるわけだが、10月6日の日刊スポーツ(電子版)によると、巨人は金足農の吉田輝星投手(18)ではなく、大阪桐蔭の根尾昂選手(18)を1位指名するという(「巨人、根尾が1位指名筆頭候補 ポスト坂本に熱視線」)。

 ところが、ここ数年、巨人のチーム編成は、肝心のファンからも評価されていない。SNSなどで「ドラフトは消極的な姿勢が目立ち、FAを代表とする補強は失敗ばかり」という批判が少なくないのだ。

 補強についてはデイリー新潮も10月8日「巨人『由伸監督』辞任で同情論噴出 フロント戦犯説を裏付ける“大型補強”失敗リスト」の記事を掲載した。

 成績低迷を理由に高橋由伸監督(43)が辞任したが、真の戦犯はチーム編成に失敗したフロントではないかと指摘したものだ。多くの野球ファンが読んでくださり、YAHOO!ニュースのコメント欄でも巨人のチーム編成を巡って熱い議論が戦わされた。

 ならばドラフトはどうか。2008年度から17年度までのドラフトで、巨人が1巡目で誰を指名し、どう他球団と重複したかを表にまとめてみた。まずはご覧いただきたい。

 表に出てこない「確定した1位指名」は11年・投手の松本竜也(25)、13年・捕手の小林誠司(29)、16年・内野手の吉川尚輝(23)、17年・投手の鍬原拓也(22)となる。

 改めて全体を眺めてみれば、やはり2年連続での指名となった菅野智之(29)が目立つ。菅野は母方の伯父が原監督ということもあって巨人希望を公言。だが11年のドラフトで日ハムが重複指名を強行する。賛否両論が巻き起こる中、菅野は交渉を拒否。翌12年に巨人が単独指名して入団となった。

 巨人にケンカを売ったのが日ハムという構図は非常に象徴的なのだが、それは後述しよう。この“アクシデント”のため巨人は、この10年間のドラフトで1順目の指名が1人少ない9人となった。ダメージはファンが考えるより大きかったかもしれない。

 次に9人の内訳を見てみよう。高校生が3人なのに対し、社会人・大学生は6人。打者は4人で投手は5人。つまり巨人は「社会人か大学生の投手」を好む傾向が見える。いわゆる即戦力重視ということになるだろう。

 それに対して、育成には時間が必要とされる高校生投手は忌避しているようだ。ところが近年、その高校生投手に注目度の高い選手が多い。このあたりがSNSでファンが「消極的」と批判する一因だと考えられる。

 具体的には、09年・菊池雄星(27)、12年・藤浪晋太郎(24)、13年・松井裕樹(22)、16年・安樂智大(21)――。この4人のうち1人でも巨人が1位指名していれば、ファンの印象も変わっただろう。

 これをセパ12球団の中で捉えてみると、巨人の「他球団との競合を避ける」傾向が鮮明だ。過去10年で「1巡目重複回数」、「重複選手の獲得数」、「1巡目の“くじ勝率”」を表にしてみると、そのことがよく分かる。

 巨人が消極的なら、この3つの表は、日ハムの「攻撃的な姿勢」を示す。菅野に対する重複指名強行の是非はともかく、果敢なチャレンジが成果を生んでいることは間違いない。斎藤佑樹(30)、清宮幸太郎(19)、そして菅野智之で1位くじを引き当てた勝率は西武と同率1位。重複した選手の獲得数は4人で単独1位だ。

 12年にはメジャーリーグを希望していた大谷翔平(24)を単独指名。説得して入団させてしまったことも記憶に新しい。掟破りをくり返す日ハムはドラフト会議における“台風の目”だ。

 改めて整理してみよう。重複指名を恐れないのは、楽天、阪神、ヤクルト、日ハムの4球団。避けるのは、巨人、オリックス、西武の3球団だ。この気弱な方針に巨人ファンは切歯扼腕しているということなのかもしれない。

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