コンビニから病院まで外国人労働者 「移民大流入」でどうなるニッポン

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不良外国人

 ある捜査関係者がこんな打ち明け話をする。

「去年以降、警視庁および各道府県警は、特にベトナム人研修生が作った銀行口座が、オレオレ詐欺などに利用されていると警戒し、捜査に当たっている。彼らは来日中に作った口座を帰国時、同じ国出身の人間に売ってしまう。フェイスブックなどのSNSを通じて、何の悪気もなくね。売る相手というのが半グレや、そうしたグループと接点を持っている不良外国人なんだ。キャッシュカードと預金通帳の組み合わせで、2万から3万円で取引されているんだよ」

 例えば昨年10月、警視庁組織犯罪対策1課が、ベトナム国籍の無職の男(当時23)を犯罪収益移転防止法違反容疑で逮捕した。この事件では男の所属する犯罪グループが、同じベトナム国籍の技能実習生などから約1800口座を購入。それらを日本の特殊詐欺グループに転売したと見られている。新たな脅威としてベトナム人犯罪ネットワークが浮上しているのだ。

 こちらは些か旧聞に属するが、13年には広島県江田島市でこんな物騒な事件が起こっている。社会部デスクに振り返ってもらうと、

「カキ養殖場に当時30歳だった中国人技能実習生の男がいましてね。スコップや熊手で、経営者や従業員ら8人を殺傷したんです。男はあまり日本語が得意ではなかったため、周囲と馴染めず、別の会社に勤める同じ中国出身の知人に“一生懸命やっているのに叱られる”“社長の言うことが理解できない”と相談していました。言語の壁が孤立を招き、結果、暴発したケースです。社会の誰からも承認されないと不満を募らせ、公共の場において単独で銃などを乱射し大量殺戮を行なう、いわゆるローンウルフ型のテロが欧米で問題になっていますが、広島の事件はそうしたテロの類型に近いものだと言えます」

 東京五輪を前に耳にしたくない言葉に違いない。

(2)へつづく

2018年10月25日号掲載

特集「『コンビニ』から『病院』まで外国人労働者! 『移民大流入』でどうなるニッポン」より

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