コンビニから病院まで外国人労働者 「移民大流入」でどうなるニッポン

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少子高齢化対策を国外に…

「安倍政権は17年から家事支援事業や農業支援事業などについて外国人労働者の入国、在留を認めてきました。しかし、それはあくまで国家戦略特区に限った措置でした。それがここに来て、全国に跨る恰好で外国人労働者の受け入れにシフトしたのは、菅さん(義偉官房長官)の役割が大きかったんです」

 と、政治部記者。

「横浜市西区などを地盤とする菅さんに、支援者の中小企業の経営者から“労働者の不足で、このままでは経営が持たない。人手不足で倒産しかねない”といった声があがりました。それを受け、菅さんは安倍さんに熱心に働きかけたんです。移民受け入れ反対の人々を支持基盤とする安倍さんも意外に乗り気で、話は進んで行ったのです」

 日本の少子高齢化および労働生産性の低下はかねて課題であり続けてきた。人口は10年を境に右肩下がりになり、このペースで行けば65年に人口は8808万人にまで減少すると推計されている。1人の女性が産む子供の人数である合計特殊出生率は1・43だが、その一方で、結婚した女性の平均出産数(完結出生児数)は1・94に届く。少子化は非婚と少なからず関係はある。しかし、政府は手を拱(こまね)いてきたのだった。

 今回の安倍政権の政策は、少子高齢化対策の処方箋を国内ではなく、国外に求めることにした――。そのようにも読み取れる。

 東京・新宿歌舞伎町。試みにコンビニで働くネパール人男性に話を聞くと、

「働き始めて2、3年ほどになります。日本語学校を卒業し、現在は大学生で、就職は日本でしたいと考えています。この店舗は店長以外全員外国人で、ネパール人やベトナム人が多い。もう仕事には慣れたし、困った時は英語のマニュアルがあるし、先輩に聞くことができるので働きやすい。行政手続きの代行や(公共料金など)料金の支払いは対応が大変ですが、何回もやっているうちに慣れてできるようになりました。歌舞伎町のコンビニでは日本人は働きたがらないので、ほとんど外国人しかいません。たまに日本人の新人が入っても、外国人が仕事を教えることも当然多くなっています。コンビニのアルバイトは接客で日本語を使う機会が多く、勉強にもなってよいと考えています」

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