TOYOTAとSoftBank提携も… 日本にあって中国にない「自動運転」のハードル

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道交法70条

 ライドシェア同様、自動運転の実用化にも法律の壁が立ちはだかっている。自動車専門誌の記者によれば、

「自動運転の技術は日進月歩で、明日にでも公道を走ることは可能。ですが、道路交通法70条を改正しなければ、自動運転車が公道を走ることはできません」

 道交法70条では、〈運転手はハンドル、ブレーキ等を確実に操作し、他人に危害を及ぼさないような運転をしなければならない〉と定められている。ちなみに、違反した場合は3カ月以下の懲役又は、5万円以下の罰金に処せられる。

「道路運送法の改正はそれほど難しくはありませんが、道交法はそう容易くない。特に、70条は自動車運転の国際的ルールを定めた“ジュネーブ条約”に基づいて策定されている。数年前、日本の警察庁が国際会議で条約の改正を提案して一部が改定された結果、日本でも公道で自動運転の実証実験が可能になりましたが、実現のめどは立っていない。実験ができても、実用化には70条を改正しなければならないでしょう」(同)

 ある自動車メーカーの幹部が悔しそうにこう語る。

「中国は、ジュネーブ条約に加盟していないので自由に公道で実証実験ができるのです」

 AI搭載の自動運転車は、実用化前に公道を長時間走らせてデータを蓄積する必要があるという。

「自由に公道を走行できる中国の魅力にひかれて、世界中からBMWなど約100社が開発プロジェクトに参加しています。このままでは中国が、覇権を握りかねません」(同)

 技術の進歩に追い付かない法律。このハードルを越えるのには時間がかかる?

週刊新潮 2018年10月18日号掲載

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