“タダ同然で中高一貫教育”で人気沸騰! 知らないと損する「公立中高一貫校」ガイド
知らないと損する「公立中高一貫校」ガイド――おおたとしまさ(1/2)
タダ同然で中高一貫教育が受けられるとなれば、人気沸騰も当然か。公立中高一貫校には、今や名門私立や早慶付属を凌ぐほどの難関校も出現。たしかに狭き門だが、その入試対策は、子供の将来に思わぬ副産物をもたらすことも。まずは「敵」の内実を徹底的に知ることである。
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実質、無料で中高一貫教育が受けられる公立中高一貫校。最初にできたのは1999年で、実は「ゆとり教育」推進の一環として考案されたものだった。高校受験を回避することで、ゆとりある中高6年間を過ごせるというわけだ。
しかし2002年、静岡県立浜松西と岡山県立岡山操山(そうざん)に付属の中学校が開校すると、ニュアンスが変わる。両校とも高校としては県下有数の進学校。「伝統ある公立進学校に中学から入れる。しかも学力試験はないらしい」ということから高倍率を記録。
それを機に、公立高校の人気低迷に頭を抱えていた各自治体の間で、「進学校の中高一貫校化」が流行し始める。学校設置の目的にも、「ゆとり」ではなく「リーダー育成」がうたわれるようになる。
東京都は05年に白鴎高校附属中学校を開校した。初年度の倍率はなんと14・26倍。08年には千葉県の押しも押されもしないトップ校である県立千葉が中高一貫校化し、30倍近い異常な倍率を記録して話題となった。同じく08年、浜松西と岡山操山の中高一貫1期生が予想以上の大学進学実績を出し、公立中高一貫校は進学に有利だと、全国で認知されることになった。
続いて11年には、都立白鴎の中高一貫1期生からいきなり5人の東大合格者が出て、「白鴎ショック」と騒がれた。翌年には、都内の公立中高一貫4校から合計14人が東大に合格し、都立中高一貫校人気は確実なものとなる。
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