「貴乃花」出馬を潰す圧力! 「馳浩」元文科相に電話した政治家3人の名 追い詰めた仲間の裏切り
仲間の裏切り
無論、元貴乃花親方の神経をずたずたにした要因の一つは、告発状の内容について事実無根と認めるよう相撲協会から圧力を受け続けたこと。そして、さらに彼を追い詰めたのが、仲間の裏切りであった。
「親方によれば、引退会見後、元貴乃花一門だった親方全員に挨拶のために電話やメールをしたといいます。電話に出た親方に感謝の言葉を伝えたら、皆、“いやいや、とんでもないです”と恐縮していたらしいですが、電話に出なかった親方もいたそうです」
と、元貴乃花親方の後援会関係者は明かす。
「錣山(しころやま)親方(元関脇寺尾)も電話に出なかったようで、親方は“がっかりです”と言っていました。立浪親方(元小結旭豊)とは先場所中に会い、親方から声をかけたところ、顔を背けて無視されたそうです。これには親方も呆れていました」
元貴乃花親方に最後通牒を突きつけたのも、元の仲間だったという。現在、協会の理事を務めている阿武松(おうのまつ)親方(元関脇益荒雄=ますらお=)だ。
「彼は半年ぶりくらいに親方に電話をかけてきて、先場所中の9月20日に親方に会うことになった」
と、この後援会関係者が続けて話す。
「この時に、告発状の内容は事実無根だと認めて署名しろ、そうでないと部屋がバラバラになる、という話が阿武松からあったのですが、親方は“嘘は書けない”と言って断った。もしそれに署名していた場合、協会は事実無根な告発状を提出した責任を取れ、と言い出して親方を解雇していたと思います」
どちらにせよ、元貴乃花親方には相撲界を去る道しか残されていなかったというのである。
本誌(「週刊新潮」)10月11日号では、参院選を巡る話だけではなく、貴ノ岩が元横綱日馬富士に慰謝料などの名目で3千万円を請求していることも報じたが、こちらにも動きがあった。本誌発売の翌日、貴ノ岩が約2413万円の支払いを求めて、正式に元日馬富士を提訴したのだ。
「この裁判で暴行事件の背景が明かされる可能性は十分にあるし、貴乃花さんの出廷も予想される。ただ、これはあくまでも貴ノ岩の裁判。貴乃花さんとしては、今後も“政治”の力を使って相撲協会にプレッシャーをかけ続けることになるでしょう」(角界関係者)
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「貴乃花にとっては、メディアが大きく報道してくれれば、自分の存在感を示すことができる。一方、自民党としても、貴乃花は目玉候補として検討に値するし、話題も引っ張れる。今後は、甘利明選対委員長に貴乃花を引き合わせ、話題作りをしたいと考えているのではないでしょうか」
ビッグネームゆえ、出馬すれば100万票も狙える、と政治部記者は見る。いずれにせよ、前述した通り、体調が良くないにもかかわらず永田町まで出向き、記者の囲み取材まで受けたのは、元貴乃花親方の“決意”の表れとは言えまいか。
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