核拡散を戦時中から予言していた「フランク・レポート」の中味
北朝鮮の存在感の源
北朝鮮との交渉が厄介な最大の理由は、彼らがすでに核を保有してしまっているからだ、という点は多くの一致するところだろう。残念ながらこの強力な兵器を手にした国は、国際社会で一定の存在感を示し、良くも悪くも発言権を得てしまうというのが現実だ。
実はこのような事態は、戦時中、アメリカが原爆を広島と長崎に投下する前から、関係者の多くにはわかりきっていたことだった。そのことを明確に示す文書も残されている。公文書研究の第一人者である有馬哲夫早稲田大学教授の新著『原爆 私たちは何も知らなかった』をもとに、当時の状況を見てみよう(以下、引用は同書より)。...