実姉の遺言は“葬式に入れるな!” 「渡辺博道」復興相の30億円「骨肉裁判」
失礼ながら、地元以外でこの新大臣の名をご存知だった向きは少ないのではなかろうか。復興相に任命された、渡辺博道大臣(68)。面立ちも含めて地味さは拭えないが、一方で、身内の間ではドロドロの骨肉の争いが起こっていた。
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渡辺氏は、千葉県の松戸市生まれ。市役所の職員を経て、県会議員、国会議員で7期当選とキャリアを積んできた。家業であるタクシー会社の経営に携わった経験もあるが、
「彼がなぜ大臣になれたか。『待機組』の一番手だったからに他なりません」
とは、政治ジャーナリストの泉宏氏である。
「長く議員をやっているけど、専門が何か未だにわかりません。総理としては、バランス上、竹下派から新閣僚を1人入れないといけない。そのため期数が多い彼が選ばれた」
「在庫一掃内閣」の、ある意味、象徴人事だったというワケなのだ。
そんな目立たぬ人だから、これまで彼を取り上げた記事はほとんどないが、〈実姉に告発された『ムネムネ会』若手代議士の消えた30億円〉なる見出しを掲げるのは2002年6月20日号の本誌(「週刊新潮」)である。
〈「弟はお金に汚いだけの政治家です。あの程度の人間が国会議員になれるかと思うと情けない。税金から給料を貰っていることが申し訳なくて居たたまれないのです」〉
と、渡辺氏の14歳年上の長姉の告発から始まる記事の要点を記せば、
・父が20年前、病気で倒れた後、タクシー会社は弟が差配するようになった。
・弟は父や会社が持っている土地に次々とビルを建て、不動産投資をした。バブル後期には借金の額は70億円に上った。
・そのうち、ビルの建設費用を差し引いても、30億円のお金がどこかに消えてしまっている。
・会社の資産内容を明らかにしてもらおうと交渉したが教えてくれないので、裁判を起こした。
といった、衝撃的なもの。
当時の長姉への取材メモを捲(めく)れば、
「あいつは絶対国会議員に向いていませんよ。適当なことを言ってるけども、ヴィジョンも何もないんですから。身内が馬鹿馬鹿しくて聞いてもいない話を、誰が聞くっていうんですか」
なる苛烈な発言も残されている。最終的な裁判の結果はともかくとして、身内でここまで憎み合うほどになったこと自体が、極めて異常と言えるのだ。
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