37年前の本誌に“若き天才”として登場 ノーベル賞「本庶佑博士」

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「賞はショーだから」

 博士の才覚は、京大時代から周囲に轟いていた。

 かつてを知る大学時代の同級生に聞いてみると、

「60年代は、学生運動の嵐が吹き荒れていたから、構内のあらゆる研究室が学生たちの手で封鎖された。けれど、本庶君がいるところだけは止めようと。研究を邪魔してはいけないと、一目置かれていたんです」

 とはいえ、決してひたすら勉学に打ち込む“青白き秀才”ではないと振り返るのは、本庶教授の同級生で、医療法人社団新栄会細川病院の香川嘉宏院長(76)だ。

「研究室に毎日顔を出す一方、硬式テニス部でも練習に精を出し、オーケストラ部のマネージャーも兼務していた。麻雀狂いで、やれば必ず徹マン。遊び人のグループとも、仲良くつき合える人なんです」

 加えて、過去の本誌でも明かしていたように本庶教授は無類のゴルフ好き。同級生で中安外科医院の中安顕院長(78)が言う。

「彼は、ゴルフなしには生きられないほど毎週プレーに出かけるんです。気にいったゴルフ場だと、2千万円もする会員権をポーンと買うくらい入れあげて。プレースタイルは理論型で、とにかく勝負が決まるまで一言も話しません」

 近年、フェアウェイで交わされる話題は専ら“この話”だったようで、

「年1回、同窓生とゴルフコンペをやるんですが、やっぱりノーベル賞の話になる。今年は取れなくて残念だったねと声をかけても、本庶さんは『賞はショーだから』と、意に介さない様子でした」(先の香川氏)

 授賞式は12月10日。ショーの舞台に立つ博士の姿に、世界中が注目している。

週刊新潮 2018年10月11日号掲載

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