貴ノ岩が日馬富士に要求していた“法外3千万円” 貴乃花も支援、「暴行事件」法廷闘争待ったなし
「退職金」も…
また、幕内養老金とは、幕内力士が引退する時に受け取る「退職金」だという。退職していない貴ノ岩が、それを逸失利益として請求しているのは、どう考えてもおかしな話なのだ。
「最初に3千万円という総額を決め、その後に内訳を考えたので、本来、請求できないものまで入っているのかもしれません。両者は結局、金額のこともあって折り合えず、夏頃には、貴ノ岩側の代理人弁護士が東京簡裁に民事調停の申立てを行った」(先の相撲協会関係者)
しかし、それも結局、不調に終わったという。
「両者の間には、賠償金の額だけではなく、事件の状況そのものにも認識の差がある。貴ノ岩側は“携帯を見ただけなのに一方的に殴られた”と主張していますが、日馬富士側は“警察の事情聴取に対して貴ノ岩は、殴られても仕方がない、と供述している”と指摘している」(同)
鳥取区検察庁で今回の暴行事件の資料の一部を閲覧したジャーナリストの江川紹子氏が言う。
「事件直後の貴ノ岩関の警察官調書には、日馬富士関に“失礼なことをした”という認識があったことが述べられている。殴られても耐えていたが、会話中に携帯を見るという失礼なことをしたので仕方がない、といったニュアンスで事件について語っています」
貴ノ岩の代理人弁護士に取材を申し込んだところ、日馬富士側の代理人と話し合いの席を持ったものの、示談成立に至らなかったという事実関係を認めた上でこう語った。
「マスコミの皆さんは示談がすでに成立していると勘違いしているのかもしれませんが、実際には、貴ノ岩は慰謝料どころか入院費などの実費も見舞金ももらっておらず、一銭も賠償されていない。こちらが(賠償金として)何か大きな金額を請求したように思われているようですが、決してそんなことはなく、今までの判例などを見て、その範囲内で請求しています」
そして、示談の道を探った理由については、
「あの事件で貴ノ岩が引退に追い込まれていたらすぐに訴訟を起こしたでしょうが、本人は復活を目指してやってきましたから、本業である相撲に影響が出ないよう話し合いを優先するということになりました」
とした上で、今後の展望をこう語るのだ。
「調停が不調になった以上、解決策としては訴訟しかありません。あとはタイミングだけの問題です」
裁判となれば、これまで後方支援に徹してきた貴乃花親方も当然、出廷することになろう――。
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