ZOZO「前澤友作」社長が外国特派員協会で会見 全文ノーカットで公開

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「インドネシア地震にも寄付を」と外国人記者が“忠告”する場面も

 ZOZOTOWNを運営する前澤友作社長(42)が9日、外国特派員協会で記者会見を開いた。アメリカの実業家で投資家のイーロン・マスク(47)がCEOを務めるスペースXと、月旅行の契約を結んだと米国では会見を開いたものの、日本では行われていなかった。

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会見の主旨としては、「ここで日本のメディアにも取材に応じます」というものだったのだが、そこは百戦錬磨のジャーナリストたち。外国メディアだけでなく、日本のメディアも参戦し、ありとあらゆる質問を前澤社長にぶつけた。その一部始終を「ほぼ」ノーカットでお届けしよう。

 ちなみに「ほぼ」と保留をしたのは、質問をした記者は社名だけでなく個人名も名乗ったのだが、そこは削らせていただいたからだ。それ以外は、一言一句、何も手を加えていない。

 時間になると会見場は暗くなり、月旅行計画の映像が流れる。それが終わると灯りが蘇り、前澤社長が登壇するという演出の後から始めさせていただく。

前澤友作氏(以下、前澤):先日、アメリカ・ロサンゼルスのスペースX社で大まかな概要については会見でご説明させていただいたんですけれども、日本向けにはこれが初めての説明になりますので、今日はよろしくお願いします。そして、何でも訊いてください。

(通訳が英語に翻訳したり、司会担当記者が進行の説明などを行ったりして、少し中断)

前澤:今日は会社の決算説明会でもないですし、事業説明会でもないので、個人・前澤友作として楽しい会見にしたいなと思いますので、あの、楽しいご質問を、ぜひお願いします。

司会担当:今日のファッションは素晴らしいですね。ZOZOTOWNのものですか?

前澤:いいんですか? 宣伝しちゃって(笑)。全身、今日はプライベートブランドで、最近、始めた我々のプライベートブランド「ZOZO」を着ておりまして、ZOZOというブランドの特徴は、その人その人の体型に合った、ぴったりのサイズを、体型を、ZOZOSUITというツールを使ってですね、計測した後、ぴったりな服をお届けしようというブランドでして、今日、見ていただければ分かる通り、僕的にはかなりぴったりなんですが、いかがでしょうか? 皆さんも、このようなぴったりとした服が買えますので、ぜひトライしてください。以上、宣伝でした(笑)。

司会担当:ZOZOTOWNの広告は、ここまでとしたいと思います。まず私から1つ目の質問で、それからQ&Aに移りたいと思います。まず私から、前澤さんは非常に大きなZOZOTOWNという会社を経営しながら、宇宙飛行士としてこれからトレーニングをやらないといけないですし、アートコレクターとしての側面もありますので、そういうのって1日でどういう風に対応されているんですか?

前澤:Good question(英語)。あのですね、私どものZOZOという会社は、短時間労働を社員にも推奨しております。我々が導入している具体的な策としまして、6時間労働制というのを実は取り入れておりまして、普通は8時間ですよね。我々の場合、6時間で自分の仕事が終わったなら、もう、すぐに帰ってしまっていいよ、と。こんなことをしているんです。それをやり始めた瞬間ですね、社員たちの働き方が変わりました。どう働き方が変わったかというと、もう、無駄な作業はやめる、無駄な資料はやめる、無駄な会議はやめる、そういう風になりました。

 結果として、もの凄く集中力が高まり、パフォーマンスも上がり、6時間で帰る人が続出しました。つまり私をはじめ我々のZOZOという会社は、短時間で集中して、好きなことをやって早く帰りましょうというのを、ずっとやっているんですね。その関係で私自身も、会社にもう朝から晩までいるというようなワークスタイルは取っておりませんで、会社には週に3日から4日くらいしか、行った時には6時間で帰ってますね。ですので、それ以外の時間は結構あるんです。

 それ以外の時間を何に使っているかというと、趣味のアートだったり、車が大好きだったり、今日のこの宇宙の発表もあったり、そういうお勉強だったり、体験だったり、お買い物だったり、そういうことに凄く時間を使います。で、この会社以外で過ごす時間を僕は凄く重要にしています、大切にしています。かつ、それは社員に伝えています。

 どういうことかと言いますと、会社でやること以外にも、たくさんのインプットを増やしなさいと。だから会社が終わって、どこかで習い事をするのもいい、誰かに会うこともいい、どこかへ旅行に出かけることもいい、この全てが、みんなにとってのインプットになりますと、そのインプットというのは、明日、明後日の皆の仕事にも必ず活きますと、つまりインプットの量とアウトプットの量は、常に僕は比例するんじゃないかなという考え方を社員にも伝えていて、だから月へ行ったらきっと、僕はいい仕事ができるなと思っているから行くんですね。

 まあ、ちょっといきなり本題に入ってしまいますけど、つまりそのインプットを増やすという一環で、今回この冒険をすることに僕はしてるんですけど、つまり会社だけに時間を費やすんじゃなくて、たくさんのインプットを増やすというのは日頃からとても大事にしているので、そうですね、ちょっと長くなっちゃったので(笑)。

記者:私はインドネシアに来て30年になるのですが、月に行くことは非常によいことだと思います。私も行きたいですし、ここにいる皆さんも行かれたいと思います。ただ日本には、批判されている方もいると思うのですけれど、例えば「社会に貢献されたらどうですか?」と言われている方もいらっしゃると思います。それに対して前澤さんは、3・11の福島の方々にも、被害を受けた方々にも貢献していますし、国際機関を通して子供にも貢献しているとお答えされていますが、最近インドネシア地震で2000名の方々が亡くなられて、800名の方が今まだ行方不明で、1000名の方々が今まだ避難されている状態です。月に行くことと、こういう社会貢献、人類に貢献ということをバランスしていただきたいなと思うんですけれど。こういうインドネシアを助けていただいたら、インドネシアの全人口だけでなく、イスラム教の方々、20億人くらい世界にはいるんですが、その方々も前澤さんの名前を、生涯、覚えていると思うんですけれど、そういうことはお考えになられますか?

前澤:ご質問ありがとうございます。あの、まあ、そうですね、インドネシアもそうですが、近年、世界各地で色々な災害が起きていますし、たくさんの方が亡くなったり、たくさんの方がケガをされておられることを、本当に僕も心を痛めています。で、まあ、毎度毎度、そのたびに思うんですけれど、自分には何ができるのか、日本の場合は、だいたい何かが起きると、すぐに会社としても個人としても、色々とやらせていただいています。海外でもやらせていただいたことあります。ただ、国柄なんでしょうか、そういったことをやっていますと公にするのが、憚られる国でもあります。

 ただ、今までやったことの中の一部ですけれども、しっかり皆さまにも公表して、このような支援活動していますとか、このような義援金を送らせていただきましたとか、そういった話はちょこちょこはさせていただいているんですけれども、不十分なところもありますし、全てを公表していないというのもありますので、よく認知されていないところもあると思います。

 で、まあ、どこまでそれをやれば正解かというのは、生涯の課題になるんでしょうし、それと自分の趣味だったりとか、自分の得意な分野で役に立てるために使うお金だったり、それは本当に仰った通りバランスの問題でしょうし、そのバランスにも正解がないと思うので、それは一生苦悩して葛藤し続けながら自分の中のバランスというのは見つけたいと思いますし、基本的にこういう立場ですので、自分は仕事もそうですし、趣味もそうですし、必ずその先には誰かの役に立ちたいとか、誰かを感動させたいとか、喜ばせたいという風に、根幹には想いがありますので、まあこれからの活動というのはバランスを取りながら両方でやっていけたらいいと思います。

 あと、その寄付をするとか義援金を送るというのは、どうしてもそのお金を送ってそれで終わってしまうので、自分としては何でしょう、もっと自分の身体を動かしたり、もっと自分の知恵を絞って何かお手伝いしたりしたいというのはありまして、そういう意味で毎回寄付するたびに、「何かそれだけでいいのかな」とジレンマが毎回あります。まあ、それと逆ですけれど、今回、月に行くとか、何かを買って皆さんとシェアするというのは、自分が得意な分野ですし、自分の頭を振り絞ってやっていることですし、自分で自発的に動ける行動なので、そっちはどうしても表に出ますし、そっちが積極的に映るんでしょうけれども、そこは仰る通りバランスを見ていきたいなと思います。以上です。

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