複数の女性が告発! 「私が施された性的カウンセリング」 臨床心理学の権威に裏の顔
繰り返された「関係」
佐々木さんが回顧を続ける。
「私自身、恋愛転移している自覚を持っていましたが、その気持ちを、『先生(長谷川氏)としたい』とストレートに伝えました。16年の夏のことです」
前記の通り、クライエントがこうした感情を抱くのはよくあることだが、無論、カウンセラーがそれに応えてはならない。事実、「一般社団法人 日本臨床心理士会」の倫理綱領第3条にはこう明記されている。
〈対象者との間で、「対象者─専門家」という専門的契約関係以外の関係を持ってはならない〉
〈対象者等に対して、個人的関係に発展する期待を抱かせるような言動(個人的会食、業務以外の金品の授受、贈答及び交換並びに自らの個人的情報についての過度の開示等)を慎むこと〉
しかし……。
「私が気持ちを伝えたところ、彼はその後、『前に言っていた佐々木さんの気持ちは変わらない?』とか、『自分(長谷川氏)とどういうことがしたいの?』とか、『キスだったら軽いものからディープなものになっていくの?』とか、彼との性的行為を私に想像させるようなことを尋ねてきました。そして、『もっと自分に甘えてくるように』『敬語ではなく、くだけたタメ口で』と言った上で、彼が私の自宅に来る訪問カウンセリングが始まることになりました」(佐々木さん)
何やら妖しい展開である。
「最初に彼が岐阜から名古屋市内にある私の自宅にやって来たのは16年の10月でした。1時間くらい話した後に『どうする? このまま話してる?』と訊(き)かれたので、『じゃあ、寝室に行きたい』と答え、布団の上で一緒に横になりました。『先生、キスして』と私が言うと、彼は『どこに?』と返し、私が『おでこ』と答えると、『いいよ』と彼は私の額に2回キスしました」(同)
「プレイ」は続いた。
「そして、『次は口』と言うと、彼は『軽くにしておこう』と言いながらやはり2回、私の口にキスをしました。さらに私が下半身を触ってほしいと求めると、『どこを触ってほしいの? 自分(佐々木さん)の手で持っていって』と、彼の手を私が誘(いざな)うように言いました。その後の訪問カウンセリングもそんな感じで、翌年10月の4回目の訪問カウンセリングだったと思いますが、彼と最後まで交わりました。最初は私が上で、後で彼に上になってもらい、彼は気にしていましたが、私がピルを飲んでいるから大丈夫だと伝えると、避妊せずに果てていました」(同)
どちらのほうが積極的だったかは問題ではない。先に説明したように、カウンセラーの職業倫理上、クライエントとの肉体関係そのものが認められていないからだ。
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