64歳になった「ユーミン」30億円ツアー、“巨大ロボット象”と歌唱力低下の関係
ライブのベスト盤
「5年ほど前からでしょうか、“ユーミンの生歌が劣化している”と言われるようになってきたのは。歌が下手なんて話ではないんですよ。それは彼女のファンどころか、夫の松任谷正隆さん(66)も認めているところです。特に今回は、あの特徴的な声の高音が出なくなっているんです。最近はツアーの終盤のほうになると、喉も荒れるのか、高音が出づらくなっていました。しかし今回は、ツアー初っ端からガラガラ声で、特に高い音はロックのボーカルのように絞り出すように歌うんです。45年も歌い続けていれば、若い頃の声を出せと言われても難しいかもしれませんが、あの歌い方は益々喉を痛めるのではないかと心配になります」(芸能記者)
たしかにネットでは、ユーミン劣化の声は多いのだ。
「今回のツアーは、過去のステージの名場面を振り返る、ライブのベスト盤的な構成になっています。象を出したのも、79年の中野サンプラザ公演で本物の象に乗ってステージに登場した、ファンの間では伝説となっているステージ再現したもの。ユーミンのステージは、チケットが売りきれになっても赤字と言われるほど、豪華なステージで有名ですが、『レコードで儲けた分、コンサートで夢と一緒にファンの方にお返しするのが役目』と言って、彼女が“魅せるステージ”を行うようになったのはこの頃からです。今回の象は本物でなくロボットですが、目の前で伝説のステージが見られるとあって、往年のファンも大喜びでした」(同)
一説には、歌唱力の低下で、演出に目を向かせるしかなくなった、なんて声も――。
だが、コトはもっと深刻かもしれない。ユーミンはステージ上でこう語ったという。
〈昔からのファンの皆さんには、どこかで見たことがあるとか、懐かしいと思ってもらえるかもしれません。初めての人には、私がずっとこういうツアーをやってきたことを知ってほしい〉
そろそろ潮時とでも思っているかのような発言。もちろん、「これで引退と思う人もいるかも……言っときますけど、私はまだまだこんなもんじゃ終わりませんよ!」とも言っているのだが。
「かつて『私は常に最新アルバムがベストアルバム。だからベストアルバムを出す必要がない』とも言っていたユーミンが、立て続けにベストアルバムを出していますからね。今年2月の苗場ライブの公演前の取材では『ユーミンのまま、死にたい』とも言っていましたし、終わりを意識しているんだと思います。パフォーマンス等の劣化は、おそらくユーミン自身が一番分かっていることでしょう。それでも“ユーミンのまま”でいるために出ない声を張り上げているのかもしれません」(同)
声が出ない、パフォーマンスの衰え……それらすべてを全部ひっくるめてユーミンだ!との熱烈なファンの声もある。
今後のユーミンは、彼女の生き様を見せるライブに変わっていくのかもしれない。
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