「旭日旗」問題 海自OBは「韓国海軍の軍人が一番恥ずかしい思いをしている」と指摘

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やはり不参加は当然か

 韓国の済州島で10日から、国際観艦式が開催される。日本の海上自衛隊を含め15か国の海軍が参加予定だった。だが、ご存知の通り、韓国は日本に海上自衛隊旗である「旭日旗」の掲揚自粛を要請し、日本側は拒否。日本政府は5日、国際観艦式の不参加を決めた。

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 これを「分かりにくいニュース」と受け止めておられる向きは、決して少なくないだろう。旭日旗は誰でも知っているが、法的な位置づけとなると専門的な話になるからだ。

 そこで海自OBに解説を依頼すると、冒頭から「韓国の要望は、あり得ないほど非礼、無礼だと言わざるを得ません」と痛烈な批判を始めた。

 どれくらい非常識なのか、海自OBは喩え話を始める————。もし一部の日本人が、東京の韓国大使館に国旗=太極旗が掲揚されているのを「気に入らないから自粛させろ」との運動を始めたとしたら、我々日本人はどう思うだろうか?

「多くの日本人は呆れ、『韓国に失礼だからやめろ』との世論が高まるでしょう。逆も同じです。韓国人がソウルの日本大使館で国旗=日章旗が掲揚されているのを『気に入らないからやめさせろ』と抗議した場合、日本の世論は今より敏感に反応するはずです。旭日旗の自粛要請は、『国旗=日章旗を掲げるな』との要請に等しいのです」

 以上を踏まえて、法律の話に進もう。乱暴に言えば、所属を示す旗を掲げていない船舶は国際法上、海賊と見なされても反論できない。一般的に民間船舶なら船首と船尾に「社旗」と「国籍旗」、軍艦なら「国籍旗」と「軍艦旗」を掲揚する。

 もちろん例外はある。アメリカ海軍は艦首に国籍を示す専用旗を使い、艦尾は国旗と同じ星条旗を掲げる。だが、これは少数派だ。日本だけでなくイギリスもフランスも、そして韓国も、艦尾には国旗とは異なる軍艦旗を掲揚する。そして軍艦においては“格”も別物で、艦尾の軍艦旗が最上位の旗と位置づけられている。

「例えば潜水艦が無断で他国の領海を潜行して航行した場合、あくまでも理論上の話ですが、たとえ撃沈されても文句は言えません。しかし浮上して、規則通りに軍艦旗を掲揚すれば、他国の領海内であっても無害通航権を行使できます。これほど軍艦旗というものは重要な旗なのです」(同・海自OB)

 海上自衛隊に所属する艦船は、艦首に国旗の「日の丸」、そして艦尾に自衛隊旗の「旭日旗」を掲げることで、世界的な“慣習”に従っている。韓国の世論と政府は、これに“物言い”をつけたわけだ。素人でも、韓国の要望が非常識なものだと容易に理解できる。

 韓国政府は旭日旗を「侵略、軍国主義の象徴」だとして掲揚の自粛を求めた。だが日本政府は「自衛艦旗の掲揚は自衛隊法などの国内法令で義務づけられている。国連海洋法条約上も、国の軍隊に所属する船舶の国籍を示す『外部標識』に該当する」(岩屋毅防衛相/産経新聞:18年10月5日電子版)と一貫して反論してきたのは、こういう背景があるからだ。

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