大地震で“キャッシュ信仰”へのゆり戻し(古市憲寿)
9月6日に起きた北海道地震は、道内全域に約295万戸の停電を発生させた。キャッシュレス派は大変だったようだ。自家発電機を持たないコンビニやスーパーでは、電子マネーやクレジットカードが一切使えないのだから。ネットには電子マネー派の悲壮な体験談と、現金派の嘲笑があふれた。
びっくりしたのは、災害の多い日本では、現金の大切さを再確認したという評論まで出ていたことだ。
確かに多少の現金は持っておくに越したことはない。電子化が進んだ中国でも、お寺の入場料やお賽銭は今でも現金が多いし、完全に現金が消えたわけではない。...