自民党総裁選で“食い逃げ”… カレーライス事件で取り沙汰される“裏切り者”の名
勝者と敗者の逆転現象
水面下で繰り広げられたそんな駆け引きを経た上での結果は、国会議員票では、安倍総理329票、石破氏73票。地方票の獲得は、安倍総理55%に対し、石破氏は45%だった。
「石破さんが予想外に票を伸ばした、というのが自民党内での一致した見方です。安倍総理陣営は石破さんの国会議員票を50票程度と見ていましたが、フタを開けてみれば、70票超え。安倍総理側から見れば、20人もの裏切り者が出た格好です。地方票でも45%を確保した石破さんが善戦したことは間違いありません」(同)
それは、総裁選終了後の双方の陣営の雰囲気にも如実に現れていた。石破陣営の打ち上げは国会近くのホテルで行われたが、
「石破さんはサッパリした表情をしていたし、出席した議員や秘書たちも負けてガックリという感じはなく、健闘したことを喜ぶ雰囲気でした」
と、政治部記者。一方の安倍陣営は、
「総裁選が終わった直後、党本部で陣営幹部が“いろいろと無理を言った”と述べたところ、その場にいる全員が無言だった」(同)
負けた側が歓喜に沸き、勝った側が静まり返る、という逆転現象が起こっていたわけである。
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