アルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」だった 治療の最前線

ドクター新潮 医療 認知症

  • ブックマーク

根本治療が見えてきた「アルツハイマー」(1/2)

 人の名前が出てこない度に心配になるが、健康診断で発症リスクが分かるわけではない。アルツハイマー型認知症は身近なようで身近でない病だ。9月21日は「世界アルツハイマーデー」。今、治療の最前線では何が起こっているのか。そこにこそ自衛のヒントがある。

 ***

 認知症を扱った有吉佐和子の小説『恍惚の人』には、こんな場面がある。

〈痴呆。幻覚。徘徊。人格欠損。ネタキリ。/茂造は部屋の隅で躰を縮め、虚ろに宙を眺めている。人生の行くてには、こういう絶望が待ちかまえているのか。...

つづきを読む