壇蜜さんは、役にぴったりの「きれいな耳」でした 壇蜜×筒井ともみ「食べる女」公開記念対談(上)
ソフィア・ローレンみたいに
筒井 母親の役を演じたのは今回がはじめて?
壇蜜 以前、開始5分で殺されてしまうお母さん役を演じたことはありました(笑)。でも、今回みたいに子役と長く一緒に演技した役はありませんでしたね。
筒井 子ども2人に「ピクニックに行くわよ」といって出かけた先が、自分たちを捨てた夫が女と暮らす家で。ツヤコはちょっと複雑な女なのよね。
壇蜜 少し変わったお母さん。映画の中で彼女が作るサンドイッチが、一糸乱れずまっすぐ揃えて詰められていたのに驚きました。唐揚げも一個一個大きさが同じなんですよ。
筒井 あれは、レシピを伝えて、現場で作ってくれたのはフードコーディネーターの方なので。私が作るサンドイッチはもっとあやういです(笑)。
壇蜜 あれもまた、ツヤコの几帳面でまっすぐすぎる性格を表しているのかな、と思ったりしました。母として、子どものために愛情を注いで、一方で女としての幸福も求めていて。そんな彼女の頑張りすぎる性格が、夫を追い詰めてしまったところもあるのかもしれない。
筒井 私の念頭には映画「ひまわり」があって、衣装さんと助監督さんには、「壇蜜さんのこと、ソフィア・ローレンみたいにして」とお願いしたの。ソフィア・ローレンの写真をいっぱい集めてくれて、それで用意してもらったのが、大きな花柄のサマードレスとつば広の帽子。あの衣装で芝生に座っている壇蜜さん、昔ながらの映画女優という雰囲気ですごく素敵だった。
壇蜜 ありがとうございます。
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