沖縄知事選に巻き込まれる「安室奈美恵」 翁長シンパ報道、“小泉効果”も吹っ飛ばす

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遺影とうちわ

 9月30日投開票の沖縄知事選は、白熱の一途を辿っている。

「現地にいる限り、単なる一都道府県の知事選とはとても思えません」

 と、さる沖縄在住のジャーナリストが言う。

「お互いの陣営が、全国から大動員をかけている。佐喜眞さんの方は、特に公明党がすごい。すべての国会議員、地方議員に対し、“一人でも沖縄に知り合いがいれば入れ”と指示が飛んでいます。自民党も国会議員が大挙して押し寄せている。お蔭で現場の選対はアテンドに疲れ、“もう来ないでほしい……”と愚痴っているほどです」

 その佐喜眞陣営が力を入れているのは、期日前投票。建設業者の業界団体などは、関係者に期日前投票を半ば義務付け、投票後は、わざわざ報告までさせるほどの“締め付け”を行っているというのだ。

「佐喜眞サイドが有利、との雰囲気を作り、上げ潮ムードに持っていく戦略でしょう。他方のデニー陣営も、共産党を筆頭に大量の動員がありますが、なるべく政党色を薄め、代わりに翁長知事の後継として、『弔い合戦』を前面に出す戦法をとっています」(同)

 9月9日には、玉城候補が音楽イベントを主催。エレキギターを奏で、美声を披露し、その際、壇上に翁長氏の遺影を掲げた(掲載の写真)。もっとも、遺影の前なのに、何が楽しいのか愉快に踊る姿がネット上で拡散され、「不謹慎」との誹(そし)りを受けたが、

「他にも、反基地集会の場では、がんで痩せこけた末期の翁長さんの顔がプリントされた『翁長うちわ』が配られています。何だかオカルトチックですよね。あまりの翁長傾倒ぶりに、佐喜眞選対の幹部は、“選挙戦の終盤、最後の最後で、翁長さんの肉声が録音された『遺言テープ』が流されるのではないか”と警戒しているほどです」(同)

 大いにありえることかもしれないが、一体、なぜ一地方選にもかかわらず、各陣営はかように力を入れるのだろうか。

「もちろん辺野古の移設問題が絡むからです」

 とは、さる全国紙の政治部デスク。

「与党サイドにしてみれば、ここで負ければ、また知事の執拗な抵抗に遭い、移設が遅れてしまう。デニーさんの後ろには、自民党に恨み骨髄の小沢一郎さんがいるのですから尚更です」

 他方の移設反対サイドにとっては、今回、知事の椅子を失うことになれば、絶体絶命となる。

「翁長県政4年間でも、移設を阻止できなかった。そして県内の自治体の首長選挙ではここ数回、負けを繰り返している。今回、デニーさんが負けることがあれば、もはや『辺野古反対』は終わったテーマになってしまう」(同)

 というワケで、双方にとって勝敗は死活問題。力が入るのも当然だ。

 そこですがったのが、冒頭の「安室」なのである。

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