日本初の“受刑者専用”求人誌「Chance!!」 女性編集長が創刊の意義を語る

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罪状の記入欄が多い履歴書

 続いて「人生は喜劇」と題した対談読み物(3号ではお笑い芸人のコラアゲンはいごうまん(48)との対談)を経て、5ページに亘る専用履歴書の用紙がある。

三宅氏:これを弊社宛に送ってもらい、事業主に転送するわけです。事業主から面接の意向を確認した上で、受刑者は「就労支援」の希望を出すことで、ハローワークを通じて就職活動ができるようになるんです。

 その履歴書は通常のものとはかなり異なる。いわゆる“賞罰”の罰に当たる欄が異常に多いのである。【施設内生活】での自分の行い、この期間は自分にとってどういうものあったか。特に【非行歴・犯行歴】は罪名や所属施設名、刑期、事件の背景、それ以前の犯罪歴など1ページ半が費やされる。また【その他】として、入れ墨、指詰め、反社会的勢力との関係には、□有り、□無し、□離脱済み、といったマークシート式になっている。

三宅氏:ここまで詳しく書いてもらえれば、事業主も安心できるんです。これを見た上で面接するわけですからね。面接は入所中の面会室です。出所する時には、就職先が決まっていて、翌日から働くようでないとうまくいかない場合が多いんです。所持金1万円程度で出てきて、家もない、クレジットカードもないから、携帯電話も持てず、仕事も探せません。そんな状態でシャバに出ても、自分がコントロールできなくなる。結局、行き着く先は、食べて寝られる刑務所になってしまうことも多いんです。

 いよいよ求人広告である。1社当たり、多くが見開き2ページを割いているというのも、通常の求人誌には見られないレイアウト。そして写真は社屋ではなく、代表者の顔である。

三宅:自分の雇い主となる人の顔を知っていたほうが安心できると思うんです。

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