立憲民主党の支持率が9月に入って急落 背景に“リストラバブル”の崩壊説

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19.9%が6.7%に激減した調査も

 立憲民主党の政党支持率が急落している。専門家からは「遂にバブルが弾けた」との指摘も出る。“健全野党”を求める声は有権者の過半数を超えている。にもかかわらず、その期待に全く応えられていない現状が浮き彫りになっているようだ。

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 産経新聞は8月31日の朝刊で、「立憲民主ジレンマ 先鋭化で支持率減」と報じた。産経新聞とFNN(フジテレビ系列)の合同世論調査では、今年2月の通常国会前に15.6%の最高値を示していた。

 ところが森友・加計学園問題で追及を強めるほど、あべこべに支持率は低下。GW前後に審議拒否で徹底抗戦を図ると、「仕事をサボって18連休とは優雅なものだ」と有権者の猛烈な批判が集中し、あっという間に12%台へ下落してしまう。

 そして8月25・26の両日に行われた世論調査で過去最低の数字を叩きだしたというわけだ。記事の該当部分をお読みいただこう。

《25、26両日に行った合同世論調査で、支持率は過去最低の10.7%に落ちこんだ。安倍晋三内閣の不支持率は44.4%と低くはない。その政権批判層を立憲民主党が十分に引きつけていないことが分かる》

 産経新聞は「安倍政権寄り」と評されることが多い。そうした新聞社が書いた記事だと思えば一層、ビターな味わいが増すというものだ。

 下落率が極めて激しいのは、ANN(テレビ朝日系列)・「報道ステーション」の世論調査だろう。立憲民主党は2017年の10月3日に結党されたが、11月4・5日の調査で支持率は19.9%に達した。

 18年7月では13.1%を保持していたのだが、翌8月18・19日の調査で10.7%と1桁台転落の“崖っぷち”となる。その後も踏ん張れず、9月15・16日の調査では一気に4%を失い、6.7%と最低値を記録してしまった。

 安定して12〜10%台をキープしてきた共同通信の世論調査でも、8月25・26日実施で8.8%と1桁台に突入。ちなみに7月は12.4%の支持率だったため、こちらもマイナス3.6%と激しい下落だった。

 各社の世論調査で、軒並み急落を示している背景は何か、政治アナリストの伊藤惇夫氏(70)に訊いた。

「結局のところ、結党時の支持率がバブルだったということでしょう。ドタバタの民主党分裂劇で誕生した政党ですが、かなりの有権者が、そこに池井戸潤さん(55)の小説のような展開を感じ取ったのかもしれません。“上層部”に苛められているが、実は真面目一筋で能力の高い現場組。彼らはリストラに追い込まれるも、新しい会社を自分たちの手で作る。そして“倍返し”を目指す。こんなストーリーが期待され、広範な同情票が集まったのです」

 あるいは「彼らなら民主党政権の大失敗というトラウマから決別できるかもしれない」と希望を見出した有権者もいたかもしれない。何しろ朝日新聞が8月4・5日に実施した世論調査で「安倍1強政治」を「よくない」と答えた回答は69%。政権は決して盤石ではなく、常に追い風は吹いている。

「立憲民主党が失速した理由に、悪い意味でのリベラル臭が強くなってきたことが挙げられるでしょう。かつての自民党保守本流に存在したような良質なリベラリズムではなく、要するに社会党臭なんですね。立憲民主党には国会議員でも党スタッフでも旧社会党の関係者が散見されます。『民主党の失敗を超えられる新しい政党かと期待していたら、要するに昔の社会党じゃないか』と有権者が失望した可能性はあると思います」(同・伊藤氏)

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