1作品の予算は10億円の予算! 撮影現場“潜入”エピソード 爆笑「中国抗日ドラマ」対談
「日本人に恥を晒し…」
西谷 こちらの国共内戦ものの「阿娜爾罕」(画像3)で主役を演じている女優もマイナー作品には勿体ない美人ですよね。
岩田 彼女は国民的女優となったウイグル人女優、ディルラバ・ディルムラット。日本でも見られる宮廷ドラマにも出演しているのでご存じの方も少なくないはず。広告にも結構出ています。
西谷 ともあれ、カンフー、西部劇、スプラッター、学園ドラマにウイグルと、ジャンルが多岐に亘りますね。
岩田 トンデモ度でイイ線を行っているのが「槍花」(画像4)という1話完結型の連続ドラマ。日本人将校と日本兵が、日の丸と御真影の掲げられた祭壇の前でカルト宗教のようなお面をかぶり、奇ッ怪なダンスを踊るのです。ひとしきり踊り終えると「玉砕! 玉砕!」と連呼。極めてシュールな映像が続きます。
西谷 CMも入りますか?
岩田 45分の番組の前後の15分はCMタイム。テレビ・ショッピングとか同じものが放送事故じゃないかってくらいずっと繰り返されるので、嫌になるんですけどね。国営のCCTVもCMを流すんですよ。
西谷 一日中やっている?
岩田 そうですね。ネトウヨの多くもそれが問題だって指摘しています。それは事実ですが、都市部に限ってもチャンネルが30ほどあるせいでしょう。
西谷 見ている中国人はどんな気分なんでしょう?
岩田 田舎はレジャーがないからわからないですけど、都市部の連中はフィクションだとわかって見ている。実は私の『読本』を取り上げたブロガーがいて、それがあちらのニュースサイトに転載されたんです。そのコメント欄は、「外国に、しかもよりにもよって日本人に恥を晒してしまった」という意見が大多数でした。
西谷 真っ当な意見ですね。
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