名古屋が“最も魅力に乏しい都市”に 調査担当の地元市役所も自虐気味

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 名古屋といえば、名古屋城、ひつまぶし、味噌カツ……あとは?

 今月5日、名古屋市が独自で調べた、「都市ブランドイメージ調査」の結果が発表された。札幌・東京23区・横浜・京都・大阪・神戸・福岡を加えた計8都市の魅力に関する意識調査だ。

 2年ぶりの実施だが、前回の結果は地元・名古屋が“大惨敗”。調査を担当した名古屋市役所ナゴヤ魅力向上室の田頭泰樹(たがしらやすき)室長は、

「今回もビリだろうと思っていましたが、前回同様、こんなに大差がつくとは思っていませんでしたね」

 と、やや自虐気味。が、結果を見れば頷ける。訪れたい都市かを10点満点で採点し、独自の基準で指数化したところ、札幌の41・7がトップで、京都が34・8で次点。そして、名古屋だけが1桁台の2・7と圧倒的な最下位だったのだ。

 報告書には、〈名古屋市は「最も魅力的に感じる都市」で最下位、「最も魅力に欠ける都市」で最上位となり、最も魅力に乏しい都市とみられている〉と書かれ、ここでも自虐が止まらない。

「問題は自分の街に対する自己評価の低さ。実に名古屋市民の16・3%が、魅力は『特にない・思いつかない』と答えている」(同)

 出張や観光で名古屋に訪れ、タクシーの運転手や地元の人に、面白い場所がどこかないか、と聞くと、

「名古屋に面白い所なんてどこにもないわ」

 と、返された御経験のある方も少なくなかろう。

「挨拶代わりに脊髄反射で言ってしまうことがありますね。縄文時代、名古屋の地は窯業が盛んで、今は自動車工業や、からくり人形。職人仕事が昔から多く、職人気質が土地に根付いていて、自らアピールするのが苦手なんですよ」(田頭氏)

 打開策はいかに。

「うーん、行政がいくら頑張っても、市民が積極的にならないですからね……。東山動物園やナゴヤドームだって凄いんですよ」(同)

 最下位ロードは続きそう。

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

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