「頬」より化粧水を塗らない「あご下」の方がキメ細かい!? 皮膚を破壊する“界面活性剤”の真実

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あごと頬とでは大違い

 植物由来、天然物質という耳に優しげな言葉もまた、化粧品によくある落とし穴のひとつなのだが……。それはともかく、スキンケアにストイックな人たちのバイブル『肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法』などの著者で、帝国ホテルタワーで「クリニック宇津木流」を営む宇津木龍一院長の門を記者が叩いた時のこと。院長は20代の女性記者の肌にマイクロスコープを当て、こう診断する(写真)。

「頬を見てください。毛穴を中心に真っ赤に酷い炎症を起こしているのが見えます。キメもかろうじて目視できますが、軽く押すとすぐに消えてしまいます。逆にあごの下の皮膚を見てみましょう。ここは、あまり化粧水などが塗られない場所です。頬とは大違いですね。かなり細かいキメがしっかり刻まれ、押しても崩れません。何もつけなければこのくらい綺麗な肌だったのに……」

 そして、クリニックで一番酷かったという元エステティシャンの肌を例に、

「仕事柄、多くの化粧品を使い、バリアが激しく損傷していました。この方は、キメが完璧に戻るまで11年かかりました。よく“敏感肌で、何を使っても赤くなるんです”と仰る方がいますが、これはバリアが完全に破壊されていて、化粧品などの成分が容易に皮膚内に侵入し、炎症を招くことが原因。若い頃は何を塗っても大丈夫だったけど、年をとって肌の調子が悪い、という人もこのパターン。とにかく、一度バリアが壊れてしまうと、その時点で保湿ができなくなってしまう。クリーム等で膜を作っても全く意味はなく、肌本来のバリアを取り戻さなければ治らないのです」

 バリアを破壊する厄介者の界面活性剤は、化粧水にシャンプーやトリートメント、洗顔フォーム……と極めて広範囲の日用品に含まれている。全てを敵視していては日常生活に支障を来すとも言えるだろう。

つづく(2)で、その見分け方をご紹介する。

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

特集「塗ってはいけない! 皮膚科専門医が警告する『化粧品』の真実」より

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